2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域ならびに歴史的視点からみた作家研究方法の開発-彫刻家砂澤ビッキを手掛かりに-
Project/Area Number |
14580253
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
谷本 晃久 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20306525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 幹也 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (30335830)
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Keywords | 砂澤ビッキ / 社会科教育 / 美術教育 / 北海道 / 異文化理解 / 作品鑑賞 / 日本近代史 / 今を生きる私 |
Research Abstract |
(1)谷本による成果 谷本は主に、昨年までに得られた成果の整理・総括の作業を行なった。その課程で、北海道教育大学公開講座「北海道の芸術」において「北海道の風土・歴史を作家はどう表徴し得るか-彫刻家・砂澤ビッキの作品ならびに言説から考える-」と題した講演を行い、社会への成果還元を試みた。また、『教科教育学研究』誌(第23集)に「意匠と普遍-彫刻家・砂澤ビッキの目指した地平から何を学ぶか-」と題した論文を発表し、研究の成果を教科教育学会に問うた。その一方で、近世アイヌ社会における威信財の価値を実証的に考察した研究ノート(「イコリカヤニの蒔絵の行器」)の発表も行い、日本史分野における背景情報の検討も継続することができた。 (2)谷口による成果 谷口は、従来の研究成果を踏まえ、授業実践と学会報告を行なった。授業実践は東京学芸大学附属小金井中学校において、砂澤ビッキ作品に学ぶ、自らが考える芸術作品の意味と、文化保存・継承の在り方をテーマとして実施され(美術科)、研究成果の応用の可能性を探った。また、第27回美術科教育学会CHIBA大会において「『今を生きる私』を多層的に学ぶ"流動する空間"としての美術教育-芸術家・砂澤ビッキを手がかりに-」と題した発表を行い、研究成果を美術科教育学会に問うた。なお、研究で得られた知見をより深めるべく、北海道出身の現代アーティスト・川俣正氏との対話を行なった。 (3)谷本・谷口共同の成果 両者共同の成果としては、最終年度であることもあり、これまでに得られた研究成果を総合する作業が行なわれた。その課程で、第19回日本教育大学協会研究集会において「小学校社会科教材としての作家研究方法の開発試論-彫刻家・砂澤ビッキの作品ならびに言説を素材として-」と題した共同報告を行なった。更に、研究成果報告書の編集を行ない、考察編・資料編・対話編・教材開発+実践編からなる報告書を発刊することが叶った。
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