2003 Fiscal Year Annual Research Report
「粒子論的物質観」にたつ実験教材の受容史,その教材としての今日的意味
Project/Area Number |
14580255
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
永田 英治 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20164428)
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Keywords | ニュートニアン / 科学の啓蒙 / 科学の公開講座 / J.T.デザギュリエ / ミュッセンブルック / M.トゥリーヴァルド / 産業革命 / G.アトウッド |
Research Abstract |
幕末、明治初期に移入された科学書およびその中の実験教材が、18世紀のニュートニアンたちによるもの、および18世紀末、19世紀初期にそれらの科学を受け継いで産業に適用しようとした人々になるものも含まれていたでことを、1.それらの活動をした科学者たちから跡づけることができた。さらに、2.アトウッド・マシーンの日本における受容過程をとおしても、事例的・具体的に追跡することができた。 1 ニュートニアンたちの諸活動と実験 (1)17世紀、18世紀のロイヤル・ソサイエティーの実験主任、ロバート・フックおよびJ.T.デザギュリエの科学活動とその受容史から明らかにした。 (2)その弟子たちに、スウェーデンのモルテン・トゥリーヴァルド、オランダのス・グラーフェザンデ、ミュッセンブルック兄弟、アイルランド、フランスを含む各地を巡回して科学の講座をひらいたディメインブレイの活動を追跡して論じた。 (3)ニュートニアンによる科学の啓蒙活動がイギリス産業革命、ロイヤル・インスティテューションにおける科学講演に受け継がれていることを明らかにした。 (4)これらの成果を『理科教室』誌上に報告することができた。(2003.9.1--2004.3.1,2004.5.1,8回掲載) 2 アトウッド・マシーンの受容史 アトウッド・マシーンは,ニュートンの力学を啓蒙する目的で作られた実験機器で、その理念、製造者ともに18世紀ニュートニアンの科学機器を受け継ぐものであることを明らかにした上で、わが国での受容過程を追跡した。そして,わが国では、あくまでも便利な教育用機器としてしか位置づけられおらず、教育課程の変動とともにすぐに消えることになったことを明らかにした。その成果を、米国ニューポート・ニュースで開かれた、第22回国際科学機器シンポジウム(SICXXII--Scientific Instrument Symposium, Newport News, USA, 9.30--10.4,2003)で報告することができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Eiji Nagata: "The Introduction and Diffusion of Atwood's Machine in Japan"Scientific Instrument Symposium. XXII. 34-35 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "たのしい科学を学会で見せたロバート・フック"理科教室. 46-9. 94-101 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "一般の人を対象にたのしい科学の講座を開いたJ.T.デザギュリエ"理科教室. 46-10. 96-101 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "たのしい科学の講座を開き、スウェーデンに科学アカデミーを創設した技術者トゥリーヴァルド"理科教室. 46-11. 96-101 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "ライデン大学とたのしい科学の講座(1)ス・グラーフェザンデの講義"理科教室. 46-12. 90-95 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "ライデン大学とたのしい科学の講座(2)ミュッセンブルックと科学者たちのつながり"理科教室. 47-1. 96-101 (2004)
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[Publications] 永田 英治: "巡回講師の出現、気球とたのしい科学の講座"理科教室. 47-2. 96-101 (2003)
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[Publications] 永田 英治: "科学研究のサークルと蒸気機関"理科教室. 47-3. 96-101 (2004)