2003 Fiscal Year Annual Research Report
高機能広汎性発達障害児の教科学習指導と社会性の指導に関する研究
Project/Area Number |
14580269
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
伊藤 良子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00143628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 清 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50200481)
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70280774)
しま田 征子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30090533)
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Keywords | 高機能広汎性発達障害 / 自己理解教育 / 感情体験 / 親支援 / サポート / 極低出生体重児 / 学習障害 / 算数指導 |
Research Abstract |
平成15年度は次の3つの研究を実施した。 1.高機能広汎性発達障害児への自己理解教育プログラムの開発。 思春期の高機能広汎性発達障害児は、自己に対する否定的イメージを持ちやすく、将来展望に歪みを生じやすい。そこで自己理解教育プログラムを作成し、3名の対象児に実施した結果、自己理解の深化が認められ、プログラムの有効性が示された。 2.高機能広汎性発達障害の子どもをもつ親へのサポートに関する調査研究。 半構造化面接の手法により、親がこれまで感じてきた感情体験を回顧的に語ってもらい、子どもの障害に関する認識やサポートとの関係を分析した。その結果、高機能広汎性発達障害の子どもをもつ親は、知的障害のある広汎性発達障害の子どもをもつ親と同様、ネガティブな感情体験とポジティブな感情体験の両者を併せ持っていることが明らかになった。しかし、高機能の場合は、知的障害の場合に比べて、ネガティブな感情体験の比率が高い傾向にあり、親の悩みが長く続くことが示された。また、このような感情体験に配慮したサポートのあり方について検討を行った。 3.極低出生体重児で学習障害が疑われる小学5年生に対する算数文章課題解決に関する調査 満産期児との対照比較を行った結果、極低出生体重児に対しては自己モニタリング行動への援助や、問題理解の統合過程での援助が必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 宋 慧珍: "高機能自閉症・アスペルガー障害の子どもたちと親の支援ニーズに関する調査研究"東京学芸大学紀要 第1部門 教育科学. 55集. 325-333 (2004)
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[Publications] 田坂裕子: "極低出生体重だった小学校低学年双胎児の発達・学習を促進する共同問題解決-構成課題と口頭作文課題での相互交渉と問題解決力の経年変化による検討-"発達障害研究. 25巻. 117-128 (2003)
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[Publications] 田坂裕子: "極低出生体重児の小学5年時における算数文章題解決-満期産児との比較による解決下位過程での評価-"特殊教育研究施設研究報告. 2号. 33-40 (2003)
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[Publications] 伊藤良子: "養護学校における遊びの指導"特殊教育研究施設研究報告. 3号. 25-32 (2004)