2003 Fiscal Year Annual Research Report
テクニカルコミュケーション技能の指導法に関する基礎的研究
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14580270
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岸 学 東京学芸大学, 教育学部・創造教育科学系, 教授 (40143622)
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Keywords | テクニカルコミュニケーション / 説明技能 / 手続き的知識 / 文章理解 / 図表の理解 / 知識獲得 |
Research Abstract |
テクニカルコミュニケーション技能は,他者へ情報を的確に伝達する情報伝達技術(ICT)研究の一環として位置づけられる。伝達技術の中で特に重要で,かつ学校教育での指導を要するのが,文章や話しことばによって相手に説明を行う技能(説明技能)である。平成14年度は基礎研究として,(1)説明場面での説明者モデルの構築,(2)手続き的知識説明の手段として重要な図表の理解及び使用,の2点について検討した。平成15年度は引き続き(1)(2)の実験的検討を行った。 (1)公表した岸(2004)では,パソコン操作指導場面で手続き的知識を伝達する際,マニュアル説明と口頭説明とで理解度及び記憶の持続性に差があるかを学習課題により検討した。その結果,マニュアル(文書)による説明は,個人の学習方略の違いに係わらず,学習の進度は遅いが,持続性に優れていることが明らかになった。同時に,これまで継続して検討してきた,文章による説明の的確性を評価する方法についての成果をまとめ(Tsubakimoto, Kishi, and Akahori, 2004),説明順序が異なることによる評価差と説明の詳しさの違いによる評価差では後者の影響が大きいこと,評価者の読み技能の影響が大きいことを明らかにした。これらの成果は,Instruction Designを行う際の基礎資料として活用できる。 (2)伝達における図表の役割に関しては,2003年日本教育心理学会総会にて公表し,図表の適否判断が指導場面と自己学習場面とで異なることを明らかにした。また,図表の適否差は理解自体にはそれほど影響しないことが示された。 これらの知見は,テクニカルコミュニケーション技能指導で図表を活用する場合に,図表作成や選択の指針を示す基礎データとして活用できる。成果はデータを重ねて論文化する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岸 学: "手続き的知識の教授における説明方法の影響 -マニュアルによる説明と口頭説明との比較-"東京学芸大学紀要 第1部門 教育科学. 55集. 37-43 (2004)
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[Publications] Tsubakimoto, M.: "An appication possibility of latent semantic analysis (LSA) for text evaluation."The 15th Annual Conference of Society for Information Technology and Teacher Education.. 270-275 (2004)