2004 Fiscal Year Annual Research Report
器械運動の学習指導を支援する「下位教材データベース」の開発と利用方法の検討
Project/Area Number |
14580279
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 敏明 信州大学, 教育学部, 講師 (90220904)
|
Keywords | 体育科教育 / 器械運動 / 下位教材(練習課題) / データベース(DB) / 運動学 / 学習指導の支援 |
Research Abstract |
1.器械運動の学習指導が困難な技の情報を収集することで,以下の知見を得た。 学校体育の現場では器械運動が専門でない教師も学習指導をおこなうという観点から見ると,生徒が目指すべき「運動像」や「教材づくりの方法論」に関する情報が十分提供されていないことが明らかとなった。 2.器械運動の学習指導に関連する情報を文献から収集し,「教材づくり」に生じている問題とあわせて検討することで,以下の知見を得た。 すでに解明されている技術を限られた授業時間内で「伝承する」ために不可欠な練習課題の体系(教材の大きな体系)は示されているものの,その大きな体系をもとにして生徒の実情に沿った教材を新たにつくり出したり,学習指導の段階を再構築したりする情報が十分提供されていないことが明らかとなった。 3.本研究課題に関連して運動学の知識を活用した実践研究と事例研究報告をおこなった。 上記の問題認識を背景にした実践研究報告(「とび箱運動における『開脚とび』の教材づくりの工夫」:第42回日本体育学会長野支部学会),および実践研究(「鉄棒運動における『け上がり』の教材づくりの工夫」:信州大学教育学部紀要第114号)をおこなった。 4.データベースコンテンツの開発と利用方法の検討をおこなった。 データベースコンテンツの制作は継続的にすすめているものの,当初の想定以上に膨大な時間がかかることが明らかとなった。さらにコンテンツの著作権や肖像権の問題,情報公開のレベル等を検討するなかで,データベースの公開を早急におこなうのではなく段階的におこなう必要があることが明らかとなった。データベースの制作に関わる研究成果は順次発表していく予定である。
|