2003 Fiscal Year Annual Research Report
言語間におけるライティング能力の双向性についての研究:L1からL2へ
Project/Area Number |
14580292
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 ひろ江 広島大学, 総合科学部, 教授 (50205481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
リナート キャロル 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20195390)
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Keywords | 小論文訓練 / L2ライティング / L1ライティング / 転移 / ライティングプロセス |
Research Abstract |
平成15年度の研究目標は、データベースの拡大を図り、分析を精密に行い、まとめることであった。データとして9名分を新しく追加し、計28名分の英語および日本語作文のプロダクト、プロセスデータを分析した。(14年度収集した19名分のデータ分析の結果は、リーズ大学でのイギリス応用言語学会にて口頭発表を行い、この発表を論文としてまとめた。論文、"Composing competence : How L1 and L2 Writing Experience Interact"は、2003年度学会プロシーディングに掲載される予定である。) 分析方法は、正確さを高めるために、何度も手直ししたためすべてのデータ分析が完了したとは言えないが、客観的な測定方法(writing fluency, overall structure, discourse organizers, elaboration per point, planning time, functions of pauses)を導入して分析した。その結果、日本語小論文/英語作文の訓練の有無をベースに分けた4グループの特徴について以下のことが判明した。日本語小論文訓練を受けたグループは、英語作文訓練を受けたグループや全く訓練を受けていないグループに較べると、(1)小論文の構成を強く意識し、英語作文のパラグラフ構成や構成を示す指標discourse organizerの使用などにその意識が反映されている。(2)課題への取り組み方は、日本語と英語で一貫して説明文か意見文でまとめられ、他の二つグループに見られるような感想文的な文章は少ない。(3)作文を書くプロセスについても、日本語と英語でも構想(プランニング)時間を十分とって書き出すなど、一賞した書き方をしている。以上のように日本語小論文訓練グループはL1の基本的な論理構成に関するメタ知識を英文に転移させているが、英語作文訓練を受けていないために、ポイントの説明が不十分で、説得ある内容の文章になりえていない弱点も見られた。一方、日本語と英語の両方で訓練を受けたグループは、他の3グループと比較すると、英語作文の内容量は多く、しっかりした論理構成の英文を書いている。これは、二つの言語による訓練の相乗効果によるところが大きいと考えられる。
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Research Products
(1 results)