2002 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習用コミュニケーション方略指導教材の使用効果に関する実証研究
Project/Area Number |
14580306
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岩井 千秋 広島市立大学, 国際学部, 教授 (60176526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 廣司 松山大学, 経済学部, 教授 (30270044)
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Keywords | コミュニケーション方略 / 伝達能力 / 応用言語学 / 方略的能力 / 英語教育 / 教育可能性 / 第二言語習得 / 言語情報処理 |
Research Abstract |
本研究は、研究者たちが開発した英語指導教材を使って、その効果と指導法の是非を実証的に検証することを主な目的としている。開発教材はENGEL(English Generative Leaming)と名付けられ、応用言語学で言うところのコミュニケーション方略(CS)の考え方に基づき英語学習者が言いたいことを表現する練習が段階的に行えるよう工夫されている。 平成14年度は、78名の大学生に被験者となってもらい、この教材を使って実証研究を行った。(うち3名は最終的な被験者から除外。)学習者は学習期間、使用教材の種類によって15名ずつの5グループ(4実験群、1統制群)に分かれてもらった。その上で、夏期休暇中、グループ別に1〜2週間の集中学習を行ってもらい、この学習期間に前後して3回のデータ収集を行った。初回は平成13年6月に実施した事前テスト、2回目は同8月末の事後テスト、そして3回目は学習期間から2ヶ月後を経た同10月末の遅延事後テストである。それぞれのテストでは、絵の口頭描写、文法、語彙などに関するテストを行い、学習効果として学習者の発話がどのように変化したかを、文法面、語彙面、CS的観点などから調べた。具体的には、発話に要する処理速度(ミリセコンド単位で測定)、発話の効率性、使用語彙数、発話の文法構造、使用CSなどを被験者ごとに測定し統計処理した。 その結果、1)実験群学習者の発話は統制群とは比較にならないほど有意に変化していること、2)4実験群においては、教材の種類、学習者の熟達度が学習効果に有意に影響していること、3)ただし、学習期間は重要な要因ではないこと、などがあきらかになった。こうした結果はCS指導の正当性を主張するのに極めて重要な実証的根拠であると考えられ、体系的なCS指導のあり方と新たな教材開発の理諭的基盤となるだろう。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Jwai, C., Konishi, K.: "Theoretical Controversies and Pedagogical Values in Teaching Communication Strategies"中国地区英語教育学会研究紀要. 33号(印刷中). (2003)