2003 Fiscal Year Annual Research Report
学力差による読解方略の違いを取り入れた高校英語教材モデルの開発と指導法の改善研究
Project/Area Number |
14580309
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
緑川 日出子 昭和女子大学, 人間文化学部, 教授 (10245889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 庸雄 ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (10113812)
ROBSON Gordon 昭和女子大学, 人間文化学部, 教授 (90195917)
小野 尚美 昭和女子大学, 短期大学部・人間文化学科, 助教授 (10259111)
高野 恵美子 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (90338541)
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Keywords | 教材開発 / 授業観察 / 指導法改善 |
Research Abstract |
平成15年度研究は、英文読解力を高めるためのモデル教材の開発と教員の指導技術改善を狙いとして、被験者教員の学校カレンダーにあわせて、前期は(4月-9月)までの期間を主に教材開発とし、後期(10月-12月)を教室授業実験期間、その他を補足的資料整理期間とした。教材開発は、日本人大学生の英文読解は語彙と文法に由来すること、また、その原因は高等学校までの学習歴に関係があるらしい推定した平成12年度-13年度の科研研究結果と、それを裏付ける平成14年度の研究結果(アンケートによる全国調査から教員の信条と実際に行っている読解指導方法には食い違いがあるという示唆を得たこと、アンケート回答者のうち36人の授業観察とビデオ収録・分析、その中から無作為抽出した6人の教員のビデオを実際どのようにリーディングの授業が行われているかを観察、リーディング指導という点から、指導の特徴のカテゴリー分析を試みた結果、授業は音読、語彙文法指導、和訳というパターンが明らかになった)から、学習者の蹟き(語彙、文法に関する蹟き)を取り除き、学力差を考慮に入れた効果的な教材作成の条件として、新出単語をやさしくわかりやすい英語で表現すること、学習者の既知語に関する知識に注目し、それを基に新出単語および文法事項を段階的に教授していく、高等学校の実情に合わせて検定教科書の教材を用いることとして試作モデルを検討して作成した。後期の教室実験は、現役高等学校英語教員一人と担当1クラスに協力を依頼し、開発した教材モデルを用いて約3ヶ月の英語I授業をしてもらった。実験授業に当たっては、教材を用いた授業指導法について研究チームと被験者教員とのワークショッブ、被験者生徒には授業の目的や方法についての説明を行った。実験授業は、定期的、継続的に研究者が授業参観とフィールドノート、記述、被験者教員による授業記録作成、さらに授業をビデオ収録し、授業終了当日に被験者と研究者がビデオを見ながら問題点、改善点を話し合う方法をとった。生徒には、授業で理解困難が生じた点はどこであったかを毎回の授業後に記述させると共に、複数回のテストによって学習効果測定を行った。また、教材は、教員の指導のし易さや、生徒の理解に合わせて、被験者教員と研究チームが共同で前期に作成した教材を変更と修正し、さらに指導法についても模索した。教室実験終了後のまとめ期間は、教室実験のうち、被験者教員が所属する担当学年の総合的英語力測定をスケジュールの関係で平成16年度に残した他には、授業研究で集めた資料整理作業に費やした。現段階では結果を明らかにするまでには至っていないが、データ分析の結果は平成16年度にまとめて発表するほかに、さらにモデル教材の精度を高め、それにともなす指導法をまとめて提言するという最終目標に生かすことになる。
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Research Products
(1 results)