2004 Fiscal Year Annual Research Report
多読法が日本人大学生の英文読解力向上に与える効果に関する研究
Project/Area Number |
14580312
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
赤松 信彦 同志社大学, 文学部, 助教授 (30281736)
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Keywords | 英語教育 / 英文読解 / 多読 / Extensive Reading / 学習動機 |
Research Abstract |
英語学習に対する態度・動機における「メタ認知的学習ストラテジー(第一因子)」、「映画・音楽・文学に関する原書に対する読書欲(第二因子)」から、学生は、留学など、はっきりとした目標を持って、計画的に英語学習に取り組んでいることがわかった。また、英語の読解力が今よりも伸びるように、友人と英語学習法について話し合う機会を持つなどして、客観的な視野から英語力の向上に努め、自分の興味のあるものを通して、英書を読む機会を増やそうと努力していることが伺える。この点に関して、第6因子の「英語の雑誌・本に対する興味」では、「英語の雑誌や本などを自分で選び、読むことが楽しいと思った」経験と、「知らない単語の意味を前後関係から予想することが得意だ」という質問項目が同一因子として抽出されたことは興味深い。英書を読む機会の多さと多読に適した読解方略の発達との間になんらかの関係があることを示唆しているのではないだろうか。 教室外での英書読書冊数を従属変数として、因子分析の結果得られた因子得点を独立変数として、重回帰分析を行った結果、「高い英語力に対する憧れ・願望」、「10分間リーディング・副読本に対する評価」、「映画・音楽・文学に関する原書に対する読書欲」の3つの有意な変数が選ばれた。英文読解力に貢献している要因に関する重回帰分析の結果から、「単語テストに対する準備・テスト結果に関する満足度」、「授業に対する評価」の2つの有意な変数が選ばれたが、多読と関連のある要因(例、「10分間リーディング・副読本に対する評価」、「映画・音楽・文学に関する原書に対する読書欲」)や教室外での英書読書量が英文読解力に貢献する要因として選ばれなかった。これは、多読関連要因ではなく、授業に対する満足度と、単語テスト(復習テスト)の結果に対する満足度がTOEFLのReading Sectionの成績を予想する有力な指標であることを示している。
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