2003 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境科学における数理モデルと実データを用いた体系的な応用数学課程の構築
Project/Area Number |
14580320
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
坪川 武弘 福井工業高等専門学校, 一般教育科目, 教授 (70236941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 正敏 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (80042977)
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Keywords | 環境シミュレーション / 二酸化炭素の循環モデル / HILDA / Boxモデル / STELLA / ithink |
Research Abstract |
今年度は地球温暖化に関する公開されたJavaで書かれたプログラムと文献の調査を行い,簡単なモデル作り、関連するプログラムの開発を目標として研究を進めてきた. 1.温暖化等に関するプログラムと文献の調査 この分野の科学的で総合的な解説書である「Climate System Modeling」をもとに、二酸化炭素の循環・移動と気候変動にかかわる部分を分析した。また、IPCCの提起するTARと略称されるシナリオを元にした気候変動モデル、「Choose Climate Model」について、その二酸化炭素の循環部分を分析した。このプログラムはJavaで書かれているもので根拠のしっかりしたプログラムである. 2.数学的手法の分析 上記モデルは海洋での二酸化炭素移動についてはHILDAモデルを採用しており、二酸化炭素の貯蔵庫をいくつかに分ける興味深いものであった。この区分は、海洋は低緯度混合層とその下の深海34層、高緯度表層とその下1層に分け、更に大気、土壌、樹木、腐葉土、人工的な排出源をとり、それらの間の移動を単純な関係で表している。また、計算手法は各Box間の単年度移動を表した行列を対角化し、行列の累乗をしているものであった。これらのBox間の移動比率は全て読み取ることができた. 3.簡単なモデルとプログラム作り これらの調査と分析をもとにStellaを用いて,二酸化炭素の大気-海洋にわたる移動のモデルを表現することができた.元のJavaでのプログラムはパラメータの変更は二酸化炭素の排出量のみ許可していたが,我々のモデルでは柔軟な変更が可能となった.しかし二酸化炭素の温室効果を取り入れた気候温暖化のモデルの部分はまだ完成していない.
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