2004 Fiscal Year Annual Research Report
大学院レベルでの留学生指導の実態調査:指導教官と留学生のミス・コミュニケーションと学習/指導に対する信念の関係性を探る
Project/Area Number |
14580327
|
Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
山崎 けい子 富山大学, 人文学部, 講師 (50313581)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕 電気通信大学, 国際交流推進センター, 教授 (60184438)
|
Keywords | 留学生教育 / ミス・コミュニケーション / ビリーフ / 学習観のずれ / 大学院生 / 指導教官 |
Research Abstract |
「留学生教育に関して学習達成のために意識的・無意識的に最もよいと信じていること」、つまり、「留学生教育に関するビリーフ」というものが存在し、留学生と指導教官の間でそれが異なるためにミス・コミュニケーションが生じることがあるのではないかという問題意識を、本研究グループは持っていた。 このことを明らかにするため、三大学の大学院に所属している留学生および指導教官に「留学生教育に関するビリーフ」についてのアンケート調査を行い、留学生177部、指導教官159部の有効回答を得た。各質問項目に対する重要度の平均値を出しt検定を行った。その結果、留学生と指導教官の「留学生教育に関するビリーフ」には差異があり、特に指導教官が重要度を低く見る項目(教師主導型の学習、研究テーマ、言語/コミュニケーション、側面的援助、に関連する項目)に強く差異が見られ問題が集中していることが分かった。さらに統計分析を進め、個人の属性(専門分野、年齢、外国滞在経験など)によっても差異が現れていることが分かった。 次に、量的分析で明らかになった問題点を掘り下げるため、アンケート調査に協力してくれた指導教官、留学生の中から15名ほどに個別インタビュー調査を行った。背景説明として、1)研究室に所属されるプロセス、2)研究テーマの決め方、3)研究の進め方、を聞き、さらに有意差が強く出たアンケート項目について、(1)本人がそう評価した理由、(2)実際はどうなっているのか(実状)、(3)全アンケート結果を見ての意見・感想、を聞いた。そのインタビューを文字起しし質的な分析を行った。 量的・質的調査から、留学生と指導教官の間の留学生教育に関する意識の「ずれ」がミス・コミュニケーションを生じさせる要因の一つとしてあるのではないか、その「ずれ」は評価の高低のみならず、同じ事柄をどう捉えるかの解釈の問題にもあるのではないかという結論に至っている。
|
Research Products
(4 results)