2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580351
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
広津 千尋 明星大学, 一般教育, 教授 (60016730)
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Keywords | クラスタリングアルゴリズム / 血圧日内リズム / 交互作用多重比較 / 凸性仮説 / プロファイル解析 |
Research Abstract |
1元配置の設定で,従来研究を続けてきた単調仮説の拡張として凸性仮説の研究を行っている.とくに今期はそれを2元配置交互作用問題に拡張する研究を行った.具体的に高血圧症患者の24時間血圧値が夜間上昇あるいは平坦というパターンを取り,健常者の夜間低下型と異なることに着目し,被験者を血圧の経時プロファイルに従って分類する手法の研究を行った.理論的には,夜間上昇あるいは低下を,血圧経時プロファイルの凹性,凸性として定式化し,これらのパターンを被験者間で区別することを交互作用の多重比較問題として定式化した.ここで,対象としたデータは30分ごとに取られた血圧24時間値であるため,誤差に高度の系列相関がある.その系統誤差は凹凸パターンを抽出するための系統的統計量に敏感に反応するため,その処理が一つの大きな課題となった.結局4点おきに4点のデータを平均することにより,凹凸の形状情報を失うことなく,系統的誤差を除去することができた.開発した手法を203人のデータに適用した結果,従来知られていた平坦,夜間上昇という異常の他に,夜間過度に低下する異常パターンが抽出され,臨床医学へ問題提起をすることができた.とくにこの解析結果は,最近のキーワードになっている個の医療を支持するものとして,共同研究者である臨床医からも評価されている. 一方,統計理論的には,最大型2次形式統計量をχ二乗の正係数線形和で除した比の分布論を展開し,精度の良い実用的近似公式を得る等の成果があった.また,クラスタリングを実行し,分類結果の統計定有意性を自動的に判定するソフトの開発に成功した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chihiro Hirotsu, Ludwig Hothorn: "Impact of ICH E9 Guideline Statistical Principles for Clinical Trials on the conduct of clinical trials in Japan"Drug Information Journal. 37. 381-395 (2003)
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[Publications] Chihiro Hirotsu, Eri Ohta, Nobuyoshi Hirose, Kenichiro Shimizu: "Profile Analysis of 24 Hours Measurements of Blood Pressure"Biometrics. 59・4. 907-915 (2003)
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[Publications] 竹内 啓, 広津千尋, 公文雅之, 甘利俊一: "統計学の基礎II"岩波書店. 233 (2003)