2002 Fiscal Year Annual Research Report
計算機代数のための高速アルゴリズムの実用化の研究とソフトウェアの開発
Project/Area Number |
14580365
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
村尾 裕一 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (60174265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野呂 正行 神戸大学, 理学部, 教授 (50332755)
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Keywords | 数式処理 / 準数値アルゴリズム / 高速アルゴリズム / 行列乗算 / Wiedemannのアルゴリズム / 有限体上の計算 / Risa / Asir |
Research Abstract |
初年度である本年度は,まず本研究計画で用いる計算機環境とソフトウェア環境の整備を行った.本格的な行列計算の実験を行い適切な設計を行うための,充分な処理能力と大量のメモリを実装した計算機として,実験を個人的な環境で行うためのパーソナルコンピュータを導入した.これを用いて,行列乗算の高速化算法の実効性能の実測とどのような行列に対して有効で,また逆に悪影響がでるかについて一定の知見を得ることができた.これに関しては,その裏付けとなる詳細な理論的解析も行い概ね一致する結果も得られているが,そのような解析では通常は考慮されない処理内容が計算時間に影響を及ぼすことも判った.この高速算法を用いることにより同様の高速化をもたらす行列式の展開や逆行列の計算法に関しては理論的考察にとどまった.但し,逆行列計算・線形方程式の解法に関しては,Wiedemannのアルゴリズムと必要な部品を整備し,実用的であること確かめている.これらプログラム部品の開発では,応用計算への適合と数式処理システムRisa/Asir上に整備することを考慮に入れ,実装をすすめている.開発の方法と状況,及び,実験結果については研究会等で発表を行い,他の開発者らとの協議も進めた.併せて,将来副プログラム群を整理して検索システムを用いて管理することを考えているが,その方法についても検討を進め,XML形式のデータベースの作成および運用の方式の実験を行った. 分担者でありRisa/Asirの開発の中心人物である野呂は,因数分解等に関して新たなアルゴリズムをに開発し,同時にRisa/Asirへの新たな機能として追加すること開発を進めている。今後,それらの新機能との調整をとることも予定している.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 村尾 裕一: "ωビット消去による拡張GCD問題の解法-逆元計算の一高速化手法-"応用数理学会論文誌. 12巻4号. 281-292 (2002)
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[Publications] 兵頭 礼子, 村尾 裕一, 齋藤 友克: "asirのMatrix演算の実装について"京都大学数理解析研究所講究録. 1295. 213-219 (2002)
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[Publications] 兵頭 礼子, 村尾 裕一, 齋藤 友克: "多項式表現と行列演算の改良"京都大学数理解析研究所講究録. (予定). (2003)
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[Publications] H.Murao, S.Ohshima, H.Kobayashi: "Experimental Theorem Database System for Mechanizing Ring Theory"International Congress of Mathematical Software 2002, poster. (2002)
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[Publications] Masayuki Noro, Kazuhiro Yokoyama: "Yet Anther Practical Implementation of Plynomial Factorization over Finite Fields"Proceedings of ISSAC2002. 200-206 (2002)
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[Publications] Masayuki Noro: "An Efficient Modular Algorithm for Computing the Global b-function"Proceedings of ICMS2002. 147-157 (2002)