2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形ナップザック型最適化問題に対する標的解法アプローチの改良と応用
Project/Area Number |
14580397
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
仲川 勇二 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60141925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊佐田 百合子 帝塚山大学, 経営学部, 講師 (00351867)
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Keywords | 離散最適化 / 組み合わせ最適化 / 非線形ナップザック問題 / 代理制約法 / 金融工学 / ソフトウエア開発管理 |
Research Abstract |
1)エントロピーを用いた問題困難度推定法 代理双対ギャップを持つため解くことが難しい多次元非線形ナップザック問題(多制約分離形離散最適化問題)を効率良く解く改良代理制約法(ISC)を仲川が提案した。この解法により極めて大規模な問題が厳密に解けるようになった。その際問題を解くときの困難さは、変数の数や制約条件式の数に直接関係なく、また代理ギャップの大きさも直接関係しないことが示された。本研究では多次元非線形0-1ナップザック問題のエントロピーを用いた新しい問題困難度推定法を提案した。また計算機実験でその有効性を示した。 2)多制約分離形離散最適化問題のための近似解法 本研究ではISC法を近似解法として利用する。その有効性を示すためにChuとBeasleyのテスト問題を用いて計算機実験を行う。難しい問題として知られている5制約条件で500変数の0-1ナップザック問題30問を解いた結果は、平均13.6秒の計算時間の場合正答率は80%、平均計算時間55.8秒の場合正答率はさらに向上し100%となった。 3)最適インデックス・ファンド 最適化技法を金融問題へ応用する研究に関しては、所定の銘柄数で最適なインデックス・ファンドを構成する問題を、世界で初めて正確に解くことに成功した。代理双対ギャップを持つ大規模な多制約分離形離散最適化問題(多次元非線形ナップザック問題)を厳密かつ効率よく解く改良代理制約法(ISC法)を用いて、変数非分離形関数を一次近似し分離形関数に変換することで、ISC法を非分離形非凸計画問題へ適用可能にした。本手法の有効性を示すために、日経225銘柄から連動する50銘柄を選択するインデクス・ファンド問題に応用し、95年4月から98年3月の実データに対して極めて高精度の解が求まった。この研究内容は、2004年日本OR学会春の研究発表会で講演発表の予定である。
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[Publications] Isada, Ross, Nakagawa: "An approach for solving nonlinear multi-objective separable discrete optimization problem with one constraint"European Journal of Operational Research. (印刷中). (2004)
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[Publications] 木村, 伊佐田, 仲川: "改良代理制約法を用いたシステム信頼度最適化問題"電子情報通信学会論文誌. J86-A・10. 1088-1092 (2003)
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[Publications] Y.Nakagawa: "An improved surrogate constraints method for separable nonlinear integer programming"Journal of the Operations Research Society of Japan. 46・2. 145-163 (2003)
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[Publications] 伊佐田, 仲川: "標的アプローチによるソフトウェア開発信頼性管理支援モデル"電子情報通信学会論文誌. J87-A・2. 216-223 (2004)
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[Publications] 仲川: "多次元非線形0-1ナップザック問題のためのエントロピーを用いた問題困難度推定法"電子情報通信学会論文誌. (印刷中). (2004)
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[Publications] 仲川: "多制約分離形離散最適化問題のための近似解法"電子情報通信学会論文誌. (印刷中). (2004)