2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580418
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有田 隆也 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (40202759)
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Keywords | 進化ロボティクス / 共進化ダイナミクス / 遺伝的アルゴリズム / 人工生命 / 自律ロボット / 群ロボット / 創発 |
Research Abstract |
本研究では,第一に,新しいロボットの設計手法として,生物の発生と進化のメカニズムを応用した,ロボットの構造と行動の共進化モデルを構築した.基本的なシミュレーション実験により,各種センサを使い分ける多様なロボットが自動設計可能であることが確認された.さらに,同モデルをマルチエージェント環境に拡張した。2台のロボットによる協調作業を前提としたタスクを設定し,提案モデルに基づくシミュレーション実験を行った結果,センサ等の選択や使用法の違いによる役割分担が創発した.ロボット集団の多様性を適度に保つことが効率的な進化を実現することも示された.第二に,競合型共進化遺伝的アルゴリズムによって追跡ロボットと逃走ロボットの両者の行動を進化さぜる追跡逃走行動獲得問題を対象とし,逃走ロボットの進化が追跡ロボットの進化に比べて速すぎる場合に,逃走ロボット集団の多様性を抑制することにより,追跡ロボットの進化を促進する手法を提案した.シミュレーション実験により,特に進化の初期状態において,逃走ロボット側この自動的な進化速度の調整機能が働いて追跡ロボットの効率的な進化が促進されることが示された.第三に,群ロボットの構成手法を検討するために,蟻のフェロモンと探索経路の共進化の観点からAnt Colony Optimization(ACO)手法を解析した.フェロモンの多様性は直接、巡回路の多様性に反映するのに対して、巡回路の多様化によって調節された多様性は巡回路長の評価に応じてフェロモンの多様性への影響が自動的に制限されるため、多様性の調節がより効果的に働く可能性が高いという基本本方針から、巡回路の多様性を調節するための操作であるランダム選択手法の導入を検討した。その結果、多様性を調節することにより良解を安定して生成し,最適解からの誤差が導入前の10〜20%程度になることが示された.
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[Publications] 朝井勇次: "ブロック型ロボットを用いた構造と行動の共進化の試み"情報処理学会論文誌. 43,SIG10. 110-118 (2002)
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[Publications] 中道義之: "ACOにおけるランダム選択に基づく多様性調節の効果"情報処理学会論文誌. 43,9. 1-9 (2002)
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[Publications] Reiji Suzuki: "Evolutionary Analysis on Spatial Locality in N-person Iterated Prisoner' s Dilemma"International Journal of Computational Intelligence and Applications. (印刷中).