2003 Fiscal Year Annual Research Report
近隣グラフに基づくシンボリック・データ・アナリシスの研究
Project/Area Number |
14580429
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Research Institution | TOKYO DENKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
市野 学 東京電機大学, 理工学部, 教授 (40057245)
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Keywords | 一般化相関係数 / 近隣グラフ / 特徴選択 / 幾何学的厚み / シンボリック・データ / 共変関係 / 関数構造 / 因果関係 |
Research Abstract |
本研究の平成15年度の目標は、シンボリック・オブジェクト(量的記述、質的記述の混在した対象)の集合に埋もれた、何らかの共変関係を探し出す方法の開発である。共変関係の検出は、特微(属性)間の因果関係を見いだすための基礎として重要である。数量的な特徴に関しては、ピアソンの積率相関係数が代表的であるが、非線形な関係を含み、より一般的なシンボリック・オブジェクトに対する多次元データには、拡張が難しい。本研究では、多次元データに関数構造のような因果関係が存在するとすれば、データはその関数構造に沿って「幾何学的に薄い分布をしてる」という単純な事実を利用する。サンプル対の相対的な近隣関係を表現する、相対近隣グラフとその一般型である記述の一般性を考慮した近隣グラフの概念を導入して、これらの近隣グラフの性質から幾何学的な厚みを評価するのが目的である。 幾何学的に薄い構造を有するデータ分布については、以下のような性質が見いだされており、今後このような性質を利用した効率的アルゴリズムの構築が目標となる。 1)幾何学的に薄い分布構造にしたがう近接したサンプル対については、複数の特徴について記述の一般性が低い(各特徴について近隣関係にある可能性が高い)。 2)1)の性質は、多次元空間に存在する単調なロープ状分布について顕著であり、3次元パラボラ状分布や、球面状分布のような広がりを有する分布においては、弱まる。 1)の性質に基づいて、一般化された相関係数に該当する評価関数を種々実験的に考察している。また、2)に述べた3次元以上の空間で曲面に該当する幾何学的に薄い構造の評価法について、ある程度の見通しは得られているが、より頑健な方法の開発が必要である。今後、より多くの実験・考察を通して、実用的方法論の確立を目指したい。
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Research Products
(1 results)