2003 Fiscal Year Annual Research Report
オンデマンドと広域連携を目指した視覚障害者の学校電子図書室システムに関する研究
Project/Area Number |
14580464
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
村上 佳久 筑波技術短期大学, 視覚部・一般教育等, 助手 (30229976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 正一 筑波技術短期大学, 鍼灸学科, 助手 (00248741)
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Keywords | 電子図書館 / 電子図書 / 視覚障害補償 / ブロードバンド / 校内ネットワーク |
Research Abstract |
平成15年度の研究実績は以下の通りである。 1.研究実験協力校の新たな選定 平成14年度の視力障害センター3カ所に加えて、盲学校の実験協力校を数校訪問して実験依頼を行った。特にインターネット接続に高速回線を利用している学校を中心に選定し、千葉県立千葉盲学校や埼玉県立盲学校、群馬県立盲学校などの協力依頼を行った。 2.遠隔地通信実験 前年の函館と塩原の視力障害センターと本学との通信実験は、128kbpsのINDS回線で行ったが、今回は国立身体障害者リハビリテーションセンターや鳥取盲学校などとADSLや光ファイバなどの高速回線を利用し、最高速度が5Mbps程度で、300MBの巨大な電子録音図書でストリーミング再生を行っても全く問題のないことが確認された。ただし、連続した利用では、一時的に回線速度が200kbps程度に下がることもあり、回線エラーが若干発生し、今後の検討課題である。 3.電子図書閲覧用の端末ソフトウェアの整備 前年度問題となった、電子図書閲覧用の端末ソフトについて、全盲・弱視を問わず新しいソフトの利用よりも、現在活用しているソフトの利用を求める声が多く、課題を残した。多くの意見として、ワープロやインターネットブラウザを利用した方法を支持する声が多いので、HTMLやSMILを利用した方法について検討し、インターネットブラウザでの表示実験を試みた。 4.校内サーバの管理 実験依頼校に設置している実験用サーバの管理体制が大きな問題となった。特に専門的知識のない学校の教員がサーバの管理を行うことは不可能に近く、遠隔操作で管理する方法を行ったが、学校内に設置されているファイアウォールの問題から、実験依頼校に実際に訪問しないと管理できない例があり問題点として課題となった。また、実験協力校の情報機器管理者が必ずしもコンピュータの専門家でないケースも多いため、管理については各実験協力校とも学校外部からシステムエンジニアの訪問を受けてサーバ管理を実施しているため、この問題が実験実施上、大きな課題となることが判明した。 5.安価で簡易なサーバの開発 実験依頼校から電子図書室を構築したいという現実的な申し入れもあり、簡易で安価なサーバと簡単な管理方法の開発が急務であり、サーバ構築の再検討が必要となり、今後の課題となった。
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