Research Abstract |
本年度は,第3年度として,既に提案した2目的最適化手法の一種である「遺伝的退化アルゴリズム(GA^d)」に関する継続研究および生物の群行動をモデル化したパーティクル・スウォーム・オプティマイザ(PSO)へのα制約法の適応を行った。 1.GA^dの改良: GAdはGAに遺伝子損傷の概念を導入し,退化の発現により,不要なモデルパラメータを削除し,モデルの最適化を図る最適化手法である。この際,より良いモデル構造を獲得するには,退化圧力を適切に制御する必要がある。昨年度は,世代の進行に伴い3段階に退化速度を自動調整する方法提案したが,本年度は,退化圧力を自動制御するために,GA^dに共進化の概念を取り入れた「共進化遺伝的退化アルゴリズム(Coevolutionary Genetic Algorithm with Degeneration : CGA^d)」を提案し,ニューラル・ネットワークの構造学習を行い,既存の方法と比較することにより,本手法の有効性を示した。 2.αPSOの提案: 鳥,魚,昆虫などでは,群をなして行動することにより食物を効率よく確保したり,補食動物から種を守るという現象が見られる。このような生物界における群による行動をモデル化した多点探索法がPSOである。PSOは目的関数値のみを利用する直接探索法の一種であり,基本的には制約なし最適化問題に対する最適化手法である。本年度は,このPSOにα制約法を適用し,制約付き最適化問題に対する最適化手法「αPSO」を提案し,既存の方法と比較することにより,本方法の有効性を検証した。
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