2003 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場中反応性プラズマ制御によるカーボンナノチューブの単独成長
Project/Area Number |
14580511
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平田 孝道 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80260420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
大原 渡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312601)
金子 俊郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30312599)
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Keywords | 反応性プラズマ / 超強磁場 / 反応性プラズマ制御 / カーボンナノチューブ / 単独成長 / イオン衝撃 / イオンシース電界 |
Research Abstract |
昨年度と同様に,カーボンナノチューブ(CNTs)形成・成長のための高周波(RF:13.56MHz)反応性グロー放電プラズマは,真空容器中心に設置されたニッケル製円筒RF電極と真空容器の間で生成した.更に,超電導マグネットによる最大4Tの強磁場(Bz)を電極表面と平行方向に印加することにより,マグネトロン放電形態による実験を行った.実験結果は,以下の通りである. ・まず始めに、Bzを印加することによるプラズマ特性の変化を調べる目的で、アルゴンガスを用いてプラズマを生成し実験を行った。実測値と計算結果より、入射イオンのドリフトエネルギーがB_zの増加に伴い2桁程度減少することが判明した。B_z=2Tの条件では、50eVのエネルギーのイオンを発生させるシース電位が存在するにもかかわらず、実際に高周波電極へ入射するイオンは約2eV程度までエネルギーが抑えられている。このことは、電場と垂直方向に印加される外部強磁場印加によって、磁場を横切るイオンのドリフトが抑制される効果であると考えられる。 ・前述の結果を考慮の上、B_z=0.03T及び2Tを印加した場合におけるCNTsの形成実験を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。SEM及びTEM観察の結果、高周波電極前面に存在している大きなシース電場により,高い配向性を有したCNTsが形成されることが判明した。B_z=0.03Tの場合、CNTsが数本束になり太くなる損傷・変質が見られたのに対して、B_z=2Tでは損傷を受けない高品質の多層CNTs形成が確認された。B_z=0.03Tでは、100eVを超える高エネルギーのイオンがCNTsに入射することが分かっており、このイオンにより炭素間の結合が切れる為に変質を起こすと考えられる。一方、B_z=2Tのではイオンのドリフトエネルギーは数eV程度となるため、CNTsは損傷を受けずに成長するものと考えている。
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[Publications] T.Hirata: "Magnetron-type Radio-Frequency Plasma Control Yielding Vertically Well-Aligned Carbon Nanotube Growth"Applied Physics Letters. 83. 1119-1121 (2003)
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[Publications] T.Kato: "Single-walled Carbon Nanotubes Produced by Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition"Chemical Physics Letters. 381. 422-426 (2003)
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[Publications] G.-H.Jeong: "Time Evolution of Nucleation and Vertical Growth of Carbon Nanotubes during Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition"Japanese Journal of Applied Physics. 42. L1340-L1342 (2003)