2002 Fiscal Year Annual Research Report
超流動液体ヘリウム中における微粒子プラズマの生成と分光測定
Project/Area Number |
14580514
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
南 一男 新潟大学, 工学部, 教授 (00023135)
|
Keywords | 液体ヘリウム / 微粒子プラズマ / パルス放電 / シュタルク幅 / 分光スペクトル / マグネシウム |
Research Abstract |
第1年度である平成14年には、本体であるデュワ瓶(ガラス製クライオスタット)の設計・製作と液体ヘリウム中での微粒子プラズマ生成の準備をした。微粒子の材料として色々な金属を試したが、マグネシウムが最も結果が良かった。適当な硬度と塑性を持っている。FRP(繊維強化プラスチック)の枠上に、タングステン針電極と金属マグネシウム棒の対向電極を近接して液体ヘリウム中に固定した。デュワ瓶には幅1センチメートルの銀鏡スリットを設けて、中からの発光スペクトルの観測を行えるようにした。電極間に20kV,180A,1マイクロ秒の高電圧を印加してパルス放電を行わせた。発生した微粒子プラズマからの発光を、現有の時間分解型分光測光装置(PMA-50)で観測した。これは線スペクトルに分解すると共に、時間分解された1次元空間分解情報を与える。まず、準備実験として、1気圧の室温ヘリウム気体中での発光を観測した。Mgl 518.2nmの発光を観測したところ、Mg電極が負電圧の場合に、正電圧の場合よりも発光が約15倍強く持続時間も20マイクロ秒と長かった。そこでこの極性で液体ヘリウムを満たして同様の実験を行った。放電時間中は強い連続スペクトルが見られ,高温高密度プラズマが出来ている。放電後はヘリウム中性線Hel 587.6nmが約20マイクロ秒続いた。それが消滅する時刻に、放電プラズマが消失して液体ヘリウムが回復すると推定される。一方、Mgl 552.8nm, Mgl 518.2nmのスペクトル線は35マイクロ秒続いた。液体ヘリウム中でマグネシウムの微粒子プラズマが生成していると思われる。最終年度である次年度に、空間的に広がった微粒子プラズマのパラメータの精密測定を行って、研究を終了する。
|
-
[Publications] K.Minami, Y.Yamanishi, C.Kojima, M.Shindo, O.Ishihara: "Very Slowly Decaying Afterglow Plasma in Cryogenic Helium Gas"IEEE Trans. Plasma Science. 31・3(発表予定). (2003)