2003 Fiscal Year Annual Research Report
双安定系磁化プラズマの構造モデル解析と動的制御の研究
Project/Area Number |
14580519
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠原 俊二郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (10134446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 裕志 山口大学, 工学部, 助教授 (10126881)
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Keywords | プラズマ / 双安定 / 遷移現象 / 構造 / 制御 |
Research Abstract |
プラズマ物理学の基礎・応用分野に限らず、様々な分野において分岐・遷移現象やヒステリシスは観測されている。本研究の目的は、全く未踏の領域である双安定系の磁化プラズマにおける遷移現象のメカニズムを明らかにして新モデルを構築し、その理解の基で遷移挙動の動的制御を行う事にある。本研究では、遷移現象を密度、電位や高速プラズマ流分布のグローバルな構造変化のみならず、遷移や滞在確率、ノイズ、不安定性、損失項、シースの効果など多角的立場から捉え、実験と計算の解析結果より理解(内在する制御パラメータの探索)を深める事にある。更に遷移の動的制御法を、振動する外場印加(位相、空間位置も制御)により確立する事が目標である。 本年度は大口径(45cm)RF生成磁化プラズマ中に挿入された10重同心状電極に、従来一定電圧を印加していたのに対し、任意波形電圧を印加して現象の動的制御をし、それに対する応答特性を調べた。開発した24chプローブとデータロガーシステム(従来の32ch、10μs、16bitサンプリングに加え、最大8ch、50ns、12bitサンプリングのロガーも導入)で詳細な時空間構造を求めた。このグローバルな密度遷移とほぼ同時に、電位遷移現象もグローバルに観測された。変化は密度遷移(<1ms)より電極へのバイアス電流が早く(早い場合は1-2μs)、浮遊電位は遅かった(>1ms)。また空間的にも差異があった。密度、電位、バイアス電流の変化にも時間的に段階があり、初めの段階は1-10μs程度である。 印加電圧の変化に対しては、滞在確率と平均滞在時間にヒステリシスが観測され、密度や浮遊電位の分布関数(PDF)からも見られた。これより以前から示唆されていた微細構造や電極近傍の重要性が確認され、更に詳細な時空間測定と新たなモデル(シミュレーションでも類似の現象が再現されつつある)の構築が求められる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Shinohara: "Three Different Simple Detector Manipulators for Spatial Measurements in a Plasma Discharge Device"Rev.Sci.Instrum.. 74・4. 2357-2360 (2003)
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[Publications] S.Shinohara, K.Sugimori, Y.Nakamura: "Spatio-Temporal Behavior of Density Transition in Magnetized Plasma"Bull.Am.Phys.Soc.. 48・7. 69-69 (2003)
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[Publications] H.Naito, S.Sinohara, M.Yagi, O.Fukumasa: "Observation of Autonomous Oscillation due to a Positively charged Electrostatic Plate Immersed in a Magnetized Plasma"13th Int.Conf.on Plasma Phys.and Control.Nucl.Fusion. 47-47 (2003)
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[Publications] 篠原俊二郎: "双安定プラズマ系における構造変化の研究"山陽放送学術文化財団レポート. 47. 5-9 (2003)
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[Publications] 篠原俊二郎, 杉森勝久, 中村耕史: "バイアス電圧印加による磁化プラズマ中の密度遷移現象II(時空間計測)"日本物理学会講演概要集. 58・2. 165-165 (2003)
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[Publications] 中村耕史, 杉森勝久, 堀井誠一, 篠原俊二郎: "磁化プラズマにおける密度遷移現象の時空間計測II"プラズマ・核融合学会 第20回年会予稿集. 132-132 (2003)