2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580554
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴山 秀雄 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 顕彰 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (50052808)
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Keywords | MUSIC法 / 音響インテンシティ / 相関波 / 超低周波音 / アレーマイクロホン / 固有値展開 / 空間平均法 / 音環境保全 |
Research Abstract |
空気伝播である低周波振動音は周波数が10Hzであれば,15℃で波長は約34mになる。この周波数領域では音波の伝播損失は少ないため、10km以上離れた場所からの音波を検出した例がある。波長が長いことにより回折波は発生しやすく、しかも相関波が含む多重反射音場条件下で音波到来方向を推定しなければならない場合も多い。更に、音波伝播距離が長いことにより、他の騒音源から発生した音波も加わり、測定場の信号対雑音比は低くなる。気象条件の影響も大きく、温度差による音速の変化に伴う音波の変調や風の影響も加わり、更に、複雑な条件の中で計測を行うことになる。到来方向推定をMUSIC法と音響インテンシティを用いて行った。MUSIC法は信号の分散共分散行列を固有値展開し、信号部と雑音部の2つのサブ領域に分離し、MUSICスペクトルを計算し、そのローカルピークを用いて、到来方向を推定する。しかし、この手法は相関波が存在する場合は固有値の縮退が発生し、推定誤差を生じる。これを回避するための前処理として、分散共分散行列をいくつかのサブ行列に分解し、その各サブ行列に対して重みを付けて、分散共分散行列を再構成する手法を用いる。その重みの決定法として、遺伝的アルゴリズムを用いた空間平均法を提案し、その成果を報告した。さらに、音場の状態に対応し、適応的に重み係数を決定する適応重み付け手法を報告した。到来方向推定は遺伝的アルゴリズム手法の空間平均法に比較して高く、測定音場のSN比が0dB以上の条件で適用可能である。MUSIC法と並行しながら、音響インテンシティによる音波到来方向の検討も行っている。音響インテンシティは相関波の存在の有無には無関係であり、発生源の音波生成過程が安定であれば、ベクトル的に決定できる利点があるが、低周波振動音に対する検討は今後の課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hideo Shibayama: "Detection of noisy footsteps by threshold filtering"Proceeding of Inter noise 2002, INCE. CD media N538. (2002)
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[Publications] Hui Wang, Hideo Shibayama, Motoatu Miwa, Toshiya Miyauchi: "Effects of gain and phase characteristics for estimating direction of arrival of a sound wave using MUSIC method"Proceeding of Inter noise 2002, INCE. CD media N292. (2002)
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[Publications] Motoatu Miwa, Hideo Shibayama, Hui Wang, Yoshiyuki Tuchiya: "Estimation of velocity of a moving object by the MUSIC method"Proceeding of Inter noise 2002, INCE. CD media N293. (2002)
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[Publications] Hideo Sibayama, Yasuyuki Morimoto, Hui Wang: "Visualization of reflective waves"2002 China-Japan Joint Conference on Acoustics. CD media 231. (2002)
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[Publications] 山田 和幸, 柴山 秀雄: "音響インテンシティ法を用いた障害物周辺部の音場の可視化"日本音響学会春季講演会論文集. 第1巻. 639-640 (2002)
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[Publications] 三輪 基敦, 柴山 秀雄: "相関波到来時の到来方向とパワー推定"日本音響学会春季講演会論文集. 第1巻. 887-889 (2003)