2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580554
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴山 秀雄 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052866)
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Keywords | 近距離音場 / 直線マイクロホンアレー / 素子間の位相差 / MUSIC法とESPRIT法 / 距離減衰量 / 音環境保全 / 騒音源の探査 / 音波到来方向推定 |
Research Abstract |
本研究では近距離場において,マイクロホンアレーを用いて音波の到来方向推定,および音源位置推定を行うに当たり,近距離場特有の位相差を考慮して,推定を行わなければならないということを明らかにしてきた.低周波音は身近な騒音問題の一つである.人体に与える心理学的・生理学的影響が問題であるため早急に対処すべき問題である.低周波音についてはたくさんの研究者によって研究が盛んであったが,近距離場という視点では低周波音の発生源の推定に対する研究はあまり行われていないのが現状である。 低周波音は非常に波長が長く,また,減衰しにくいという特徴がある.このため,低周波音を対象とした到来方向推定および音源位置推定を考えるに当たり,近距離場特有の位相差が非常に重要な要素である.本研究では主にこの近距離場特有の位相差に着目してきた.近距離場にて,マイクロホンアレーで音波を受音する場合,隣り合うマイクロホンでは位相差がそれぞれ異なるため、推定理論中で用いられるステアリングベクトルを見直す必要があった.その中で,近距離場特有の位相差が生じるために従来の遠距離場での到来方向推定理論では考えられてこなかった測定条件,マイクロホンアレーに対する音波入射角,音源から基準マイクロホンまでの距離,基準マイクロホン番号の設定,素子数の設定が音波到来方向推定および音源位置推定に影響を及ぼすことを明らかにした.中でも基準マイクロホンについては,音波の到来方向推定および音源の位置推定において,従来考えられてこなかったが,設定を誤ると正しい推定結果を得られないということを学会で報告した。また、シミュレーションした結果と実験との比較を行い、その解析の手法が有効である事を認識できた。
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Research Products
(6 results)