2002 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線および大気汚染ガスによる植物生育傷害の早期検出に関する研究
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14580576
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
福地 健一 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 助教授 (00218942)
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Keywords | UV-B / オゾン / 植物診断 / レーザー誘起蛍光法 |
Research Abstract |
人工気象器中,一定の生育条件で育成した落花生を試料とし,UVレーザーを励起光源としたLIF (Laser-induced fluorescence)法によって,植物に対するストレスの種類とLIFスペクトル変化の関係を調査した.本年度はオゾン,UV-B, UV-Aの単独影響を中心に実験を行った.その結果,次のことが明らかとなった. (1)685nmの蛍光(F685)と530nmの蛍光(F530)の強度比(F685/F530)は,オゾン暴露および紫外線(UV-A, UV-B)照射による葉の光合成活性度の低下に伴って減少する. (2)UV-A照射では,照射時間を増やしてもF685/F530は生常葉の半分程度までしか減少せず,照射を止めると,その後24時間程度でほぼ正常値まで回復する. (3)740nmの蛍光(F740)とF685の強度比(F740/F685)は,オゾン暴露ではほとんど変化しないが,UV-B照射では,照射量(照射強度と時間の積)に比例して増加する. 以上のことから,LIFスペクトルの変化は,各種ストレスによって共通の変化をする要素と,ストレス毎に特異な変化を示す要素があることが分かった.今後,各ストレスの複合影響等さらに詳しく調査を行えば,LIFスペクトルの変化から,植物葉の傷害診断が可能になると考えられる. 尚,当初計画していたSO_2暴露チェンバーの試作については,現在SO_2ガスの流量制御系の調整段階に入っており,来年度継続して作製を進める予定である.
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