2005 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線および大気汚染ガスによる植物生育傷害の早期検出に関する研究
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14580576
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
福地 健一 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 助教授 (00218942)
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Keywords | 紫外線ストレス / オゾンストレス / 植物葉蛍光 / レーザー誘起蛍光法 / LIFスペクトル / UV-LED |
Research Abstract |
紫外線(UV-B)ストレスおよびオゾンストレス負荷によるラッカセイ葉のLIF(Laser Induced Fluorescence)スペクトル変化を異なる励起波長で測定した。また,昨年度開発した,UV-LEDを励起光源としたLIFスペクトル測定装置を用いて同様の測定を行い,以下の知見を得た。 (1)異なる励起波長によるLIFスペクトル変化 励起光源にダイオードレーザー(375nm)とHe-Cdレーザー(325nm)を用い,ラッカセイ葉にUV-Bストレスおよびオゾンストレスを与えた。オゾンストレスに関しては,LIFスペクトルの変化に励起波長による差は見られず,ストレス付加によって,波長530nm付近の蛍光強度(F530)に対して波長685nmの蛍光強度(F685)が相対的に減少した。 一方,UV-Bストレスに関しては,励起波長によって大きな違いが観察された。ダイオードレーザー(375nm)励起時には,オゾンストレスと同様に,UV-B負荷によってF685が相対的に減少したが,He-Cdレーザー(325nm)励起の場合,F530が急激に減少し,相対的にF685が増加することが明らかとなった。 これらのことから,異なる励起波長でLIFスペクトルの測定を行うことで,葉に負荷されたストレス種(UV-Bとオゾン)の違いを明確に区別できることが分かった。 (2)UV-LEDを用いたLIFスペクトルの測定 昨年度,フィールド測定用にUV-LED(380nm)とバンドパスフィルタ(透過ピーク波長385nm)を組合せたLIF想定装置を開発した。これを用いて,ラッカセイ正常葉,UV-Bダメージ葉,オゾンダメージ葉のLIFスペクトルを測定した。その結果,本測定装置は,葉に生じたUV-Bストレスおよびオゾンストレスによる障害を検出するための十分な性能を有することが確認できた。
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