2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイCGH法を用いたヒトゲノムGC含量境界領域における突然変異の研究
Project/Area Number |
14580579
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
小平 美江子 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副主任研究員 (60344412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 規郎 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副部長(研究員) (40333546)
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Keywords | ヒトゲノムGC含量境界領域 / マイクロアレイCGH法 / 放射線 / 突然変異 |
Research Abstract |
ヒトゲノム上のGC含量モザイク構造境界領域の遺伝的不安定性や放射線に対する感受性を効率よく調べるために、初年度である平成14年度は、開発中のマイクロアレイCGH法による解析の準備を行った。 コピー数の変化を確実に検出するために、ゲノムの一部を欠失した細胞株と正常株DNA、男性と女性由来DNAをモデル系として用い、我々自身で作製した約700種のBACクローンを付着させたアレイ上で定量解析のためのハイブリダイゼーション条件を確立した。また、コンピューターソフトを作成し、このソフトを用いてデータ処理を行うことで効率よい定量解析が可能になった。その結果、多数の領域でのコピー数の増減を効率よく確実に検出できる。 上記一連の予備実験の過程で、BAC-DNAそのものをアレイするのではなく、BAC-DNAをできるだけ均一にPCR法で増幅して得たDNA断片を付着させる方が作業効率がよく、BAC-DNAの必要量も少なくてすむため、我々の目的とするような、多数のアレイを使用する実験には適当であることがわかった。また、小さい欠失変異の検出に都合がよいと考えていたコスミドはDNAの調製過程で挿入断片の一部を欠失することがあり、不安定なので、アレイ付着用のDNAに不向きであることがわかった。 モザイク構造境界領域に対する放射線の影響を調べるために、高線量のX線照射した細胞株を作製した。今回はHPRT遺伝子全域を欠失した細胞株を照射前後、それぞれ22株、82株分離し、各々10μg以上のDNAを抽出した。また、境界領域のアレイ作製に必要な、境界領域を含むBACクローンの選別と一部のBAC-DNAの抽出を終了した 今後は、境界領域のクローンから増幅したDNAを付着したアレイを作製し、今回樹立した変異株や原爆被爆者の子供における境界領域での欠失変異のスクリーニングを開始する。
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Research Products
(1 results)