2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域自立型自然エネルギー需給システムの最適設計と環境影響評価
Project/Area Number |
14580581
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中田 俊彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20260416)
|
Keywords | 再生可能エネルギー / 風力発電 / 太陽光 / 経済性評価 / エネルギーシステム / バイオマス / 二酸化炭素 / 自然エネルギー |
Research Abstract |
地域社会でのエネルギー需給の自立をめざすシステムを設計し、その運用性能を解析した。ケーススタディのモデル地域として、岩手県の葛巻町を対象とした。 1.エネルギーシステムの構成要素 地域にて盛んな酪農業、および林業を考慮して、牛糞のバイオガス利用および森林バイオマス資源の熱・エネルギー利用を想定した。これに加えて、既に実績のある太陽光発電と風力発電を含めた。 2.システム設計 町全体を対象にした電力供給を行うシステムと、牧場サイトに限定して熱電併給を行うシステムの2条件について、設計した。前者では、木質バイオマスのガス化発電の導入が進み、電力供給の約4割を賄えること、残りは風力発電にて賄い、風況による変動の調節として若干の系統電力を必要とすることがわかった。後者では、乳牛の糞尿利用によるバイオガス発電は設備費コストが割高のために導入はほとんど進まない。ただし、糞尿の処理費用として有償価格を設定することによって、電力供給のシェアが増大することがわかった。トンあたり七千円以上の処理費用の設定が有効である。 3.環境影響 地球温暖化物質である二酸化炭素排出量は、本エネルギーシステムの導入によって半分以下まで低減できることがわかった。設備費と運転費用、および燃料費を総計した全体費用については、概ね現状と同じになることが明らかになった。ただし、バイオマス利用設備の商用化が十分ではなく装置の費用が割高でかつ利用効率のまだ低い状態にあるために、今後の装置の普及に伴って、コストの低減が期待できる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 久保一雄, 中田俊彦: "地域総合自然エネルギーシステムの総合評価"エネルギー・資源. 25・2(印刷中). 1-10 (2004)
-
[Publications] Nataka T., Lamont A.: "Design for renewable energy systems with application to rural area in Japan"Energy Policy. 32・10(印刷中). 1-12 (2004)
-
[Publications] Niitsuma H., Nakata T.: "EIMY : A concept for practical usage of renewable energy from local sources"Geothermics. 32. 767-777 (2003)
-
[Publications] Itoh Y., Nakata T.: "Input-output analysis for installing renewable energy system"Energy and Environment. 15・2. 88-95 (2004)
-
[Publications] Nakata T.: "Energy-economic models and the environment"Progress in Energy and Combustion Science. 30・4(印刷中). 1-30 (2004)
-
[Publications] Urabe M., Nakata T.: "Energy and economic optimization of waste management systems"Proceedings of the 23rd IAEE North American Conference. 1-8 (2003)