2002 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化チタン粒子を用いる水中の可塑剤の連続フロー式光触媒分解-凝集分離装置の開発
Project/Area Number |
14580584
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 淳 富山大学, 工学部, 教授 (20019186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 重浩 富山大学, 工学部, 講師 (50272894)
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Keywords | 光触媒 / 光触媒反応 / 二酸化チタン / 二酸化チタン粒子 / 水質汚染物質 / 可塑剤 / 凝集分離 / 排水処理 |
Research Abstract |
二酸化チタンを用いて水質汚染物質を光触媒分解する際には、懸濁法が固定化膜法より効率が高い。申請者は二酸化チタン微粒子の凝集分離法を提案し、光反応器と凝集分離装置を接続した連続フロー式光触媒分解装置を報告した。平成14年度は、本装置の実用化を目指して研究し、以下の成果を得た。 1.光触媒分解-凝集分離装置に関する文献調査を行った結果、本装置は世界で始めての試作であった。 2.ジブチルフタル酸エステル(DBP)を分解物に選び、連続フロー式光触媒分解に影響する諸因子解析を行なった。最適の二酸化チタン濃度は0.5g/L、pHは6-7であった。DBPの分解に及ぼす二酸化チタン初濃度及び溶存酸素濃度の影響は、Langmuir-Hinshelwood式に従った。また、分解速度は光強度が強くなると増加が緩やかになり、DBP水溶液に塩を添加しても分解速度の低下は少なかった。 3.光触媒分解条件の最適化について調べた。2の結果と経済性を考慮して、DBPの分解最適条件は二酸化チタン初濃度が0.5g/L、pHが6-7、高圧水銀ランプ照射、空気通気、懸濁液温度は常温であった。 4.光触媒分解速度式を求めた。pHが6-7、一定の光強度及び常温下で、二酸化チタン初濃度及び通気気体中の酸素濃度を変化させDBPを光触媒分解した。分解速度式と実験値の一致は比較的良かった。 5.分解生成物の分析をGC-MSで行った。DBPへのOHの付加、側鎖の水素原子の引抜き、有機酸を経てCO_2とH_2Oに分解することが分かった。
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