2002 Fiscal Year Annual Research Report
ANAMMOX微生物の迅速検出法の開発とその分布・生育条件の測定
Project/Area Number |
14580585
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
河野 哲郎 山梨大学, 工学部, 助教授 (50111779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清 和成 山梨大学, 工学部, 助手 (80324177)
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Keywords | Anammox / PCR / 活性汚泥 / 廃水処理施設 |
Research Abstract |
Anammox微生物を迅速かつ特異的に検出する手法の確立とAnammox微生物の分布・生育のための環境条件を明らかにすることを目的として、PCR法によって各種運転方式の下水や工場廃水処理施設の活性汚泥からAnammox微生物の検出を試みるとともに、各種環境条件の測定を行った。 まず、Anammox微生物を特異的に検出するために、Planctomytales目検出用のPCRプライマーセット(Pla46×EUB-1387r)を用いて遺伝子を増幅し、その増幅遺伝子を鋳型として、(1)既存のAnammox微生物検出用PCRプライマーセット(Pla46×Amx820)、(2)本研究で設計した Candidatus 'Kuenenia stuttgartiensis'に類縁のAnammox微生物群を検出用PCRプライマーセット(AMXN-F×AMXN-R)を用いた、2種類のnested PCRによる検出法を確立した。 続いて、し尿処理施設(標準脱窒素法、高負荷膜分離脱窒素法)、農業集落排水処理施設(オキシデーションディッチ法)、食肉廃水処理施設(活性汚泥法)、一般廃棄物埋立処分場浸出水処理施設(回転円板法)、下水終末処理施設(標準活性汚泥法)、河川底泥から試料を採取してAnammox微生物の検出を試み、併せて、水温、DO、pH、ORP、NH_4^+-N、NO_2^--N、NO_3^--N、PO_4^<3->-Pの各水質項自を測定した。 Anammox微生物は、実験に供した多くの廃水処理施設の汚泥や生物膜中に存在している可能性が示され、比較的多様な環境中に分布しているものと考えられる。特に、NO_3^--Nが多いサンプルの付着汚泥や生物膜からは、PCRによる強い増幅が確認された。しかし、検出にはnested PCRを行う必要があり、その存在量はわずかであることが示唆された。また、今回検出されたAnammox微生物の多くは、本研究で設計したプライマーセットでは検出できず、Cadidatus 'Brocadia anammnoxidans'に類縁のものが広く分布している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 西野友喜, 清和成, 森一博, 河野哲郎, 福永栄: "PCR法による各種廃水処理施設からのAnammox微生物の検出"日本水処理生物学会誌. 別巻22号. 22 (2002)