2003 Fiscal Year Annual Research Report
ANAMMOX微生物の迅速検出法の開発とその分布・生育条件の測定
Project/Area Number |
14580585
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
河野 哲郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (50111779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清 和成 大阪大学, 工学部, 助手 (80324177)
|
Keywords | anammox / PCR / Pla46 / Amx820 / 廃水処理施設 / Amx606 / MPN-PCR / 集積培養 |
Research Abstract |
最初にPlanctomycetales及びanammox微生物(Brocadia及びKuenenia)検出用の遺伝子プローブPla46とAmx820をプライマーに転用したPCRでの増幅特異性を明らかにした。すなわち、各種廃水での活性汚泥反応槽及び反応槽壁付着汚泥、廃棄物埋立地浸出水処理回転円盤、及びし尿処理硝化脱窒反応槽より採集した汚泥試料を用いて、一段階目はPla46rcとEUBr-1387、二段階目はPla46rcとAmx820のプライマーセットとするネステッドPCRで得られた増幅産物をPCR-DGGEに供し、さらに分離したDNA断片の塩基配列をシークエンサで解読した。解読した塩基配列は、DDBJのデータベースに登録すると同時に相同性検索を行ったところ、Pla46rcとAmx820のプライマーセットは、anammox微生物以外にも系統の全く異なる微生物群を増幅することが明らかになった。そのため、新たにより高い特異性を持つフォワードプライマーAmx606(S^<-*->Amx-0606-a-A-20:5'-gaaagccttccgcttaacgg-3')を設計し、このプライマーとAmx820の組み合わせのもとでのPCR産物の塩基配列の解読およびDDNJへの相同性検索により、nammox微生物への特異性と高感度の増幅性を確認した。さらに、このプライマーセットを用いて上記の汚泥試料14種でMPN-PCRを行ったところ、anammox微生物は、懸濁系の反応装置では検出限界程度あるいはそれ以下であったが、回転円盤及び反応槽壁など生物膜構造のあるところでは最大6.9×10^4コピー/mg汚泥を示していた。このことより、anammox微生物の集積培養用の植種源は生物膜構造のある場に着目すべきことが明らかになった。
|