2002 Fiscal Year Annual Research Report
加圧熱水処理法による植物系バイオマスの高効率糖化とエタノール発酵システムの構築
Project/Area Number |
14580592
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
林 信行 佐賀大学, 農学部, 助教授 (50173018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 教授 (90039339)
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Keywords | バイオマス / 加圧熱水 / エタノール発酵 / 流通式 |
Research Abstract |
本研究は、加圧熱水処理法をキーテクノロジーとした植物系バイオマスの効率的な発酵原料化と高効率エタノール生産システムの構築を志向した研究である。即ち、植物系バイマス中のヘミセルロースを200℃、セルロースを300℃付近の加圧熱水により個別に低分子可溶化して発酵原料化し、高効率でエタノールに変換することを目的としている。本年度は、もみ殻および麦わらを出発原料とし、これまでの28mL反応器に加え、新たに製作した1.5Lスケールの熱水流通式反応装置も併用して分解条件の検討を行った。特に、セルロースから得られるグルコースの2次分解を抑制する分解条件の検討に重点を置き、温度履歴との関連性を明らかにした。得られた水熱分解物中に含まれるオリゴマーを単糖化する目的で、市販の種々のセルラーゼおよびヘミセルラーゼで処理し、その消化特性を検討した結果、ヤクルト製スミチームXの効率が高かったが目下複合酵素系でさらに効率向上を目指している。また、得られた水熱分解物をフラッシュエバポレータで濃縮し、至適濃縮条件を決定した。濃縮後の分解物は、セルロース分解物についてはSaccharomyces cerevisiaeでエタノール発酵し、ヘミセルロース分解物についてはPichia stipitis、P.segobiensis、Candida salmanticensis、C.silvicultrixによる発酵試験を行った。酵母によるグルコースの発酵は順調に進行したが、キシロースについては変換効率、エタノール濃度ともに低く次年度への課題を残した。(669文字)
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