2002 Fiscal Year Annual Research Report
泡沫分離法を前処理法とした有機性汚濁水の高速高度処理システムの開発
Project/Area Number |
14580594
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
丸山 俊朗 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祥広 宮崎大学, 工学部, 助手 (90264366)
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Keywords | 下水 / 凝集 / 泡沫分離法 / 凝集剤 / カゼイン / 泡沫分離槽 / 帯留時間 / 濁度除去率 |
Research Abstract |
今日広く採用されている下水をはじめとする有機性廃水の処理には、活性汚泥法をはじめとする微生物処理法が用いられている。しかし、いずれも処理時間が長く、窒素と燐リンの除去率は高くはない。本研究は、微生物処理の前にほぼ完全に懸濁物を除去すれば微生物による処理時間を短縮できると考えられているところから、短時間にほぼ完全に懸濁物を除去する方法として、凝集・泡沫分離法泡沫分離法を適用し、リンも同時に除去することを構想した。これまでの研究で下水の沈殿越流水の回分式泡沫分離実験を行って良好な結果を得てきた。しかし、下水の濃度は刻々変化するところから、この変動に至適注薬量がどの程度追随できるかについての知見や連続式における処理時間の長短が処理能に及ぼす影響に関する知見も必要である。本年度は2種類の下水A(濁度58.OTU、SS47.8mg/l、NH4-N29mg/l、BOD88.1mg/l)と下水B(濁度121TU、SS112mg/l、NH4-N26mg/l、BOD163mg/lについて、PACを凝集剤、カゼインを疎水化剤兼起泡剤として、回分式と連続式の処理能と至適注薬量を決定した。さらに処理時間の長短の処理能に及ぼす影響を調べた。下水Aについて:回分式では、PAC10mg-Al/L、カゼイン5mg/Lで濁度除去率は99.8%(残留濁度1.2TU)が得られ、過剰なPAC添加量は多量のフロックが形成されるためにカゼイン不足を招くことが明らかになった。連続式では、回分式の場合と同じ注薬量における濁度除去率は処理時間15分で62%までしか除去できなかったが、PAC20mg/L、カゼイン10mg/Lでの除去率は約80%の向上した。下水Bについて:回分式では、PAC10mg-Al/L、カゼイン5mg/Lで濁度除去率は99.7%(残留濁度3.6TU)が得られ、下水の濃度が変化しても至適注薬量はほとんど変わらず、連続式では回分式と同じ注薬量では除去率は著しく低下するが、処理時間を長くしPACとカゼインの注薬量を増すと除去率は上がることがわかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 鈴木祥広, 丸山俊朗: "凝集・泡沫分離法による高塩分濁水の処理"水環境学会誌. 25(3). 163-169 (2002)
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[Publications] 鈴木祥広, 丸山俊朗, 河添智: "PACとカゼインを併用した凝集・泡沫分離法による微細藻類の回収除去"水環境学会誌. 25(5). 297-302 (2002)
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[Publications] 鈴木祥広, 丸山俊朗: "カゼインと数種類の界面活性剤を用いた場合における凝集・泡沫分離法の処理性比較"水環境学会誌. 25(8). 477-483 (2002)
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[Publications] Y.Suzuki, T.Maruyama, H.Tegane, T.Goto: "Removal of suspended substances by coagulation and foam separation from municipal wastewater"Water Science and Technology. 46(11-12). 943-948 (2002)
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[Publications] Y.Suzuki, T.Maruyama: "Removal of suspended solids by coagulation and foam separation using surfaceactive protein"Water Research. 36(9). 2195-2204 (2002)
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[Publications] 丸山俊朗, 鈴木祥広, 河添智, 中元寺宣明, 土手裕: "PACと乳製ヵゼィンを用いた凝集泡沫分離法によるカオリン懸濁粒子の除去"水環境学会誌. 24(3). 159-167 (2001)
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[Publications] 丹保憲仁, 丸山俊朗: "水文大循環と地域水代謝"技報堂出版. 222 (2003)