2004 Fiscal Year Annual Research Report
PRTR情報を用いた環境リスクのコミュニケーション手法に関する研究
Project/Area Number |
14580597
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村山 武彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00212259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関澤 純 徳島大学, 総合科学部, 教授 (60171336)
門内 輝行 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90114686)
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Keywords | 環境リスク / リスクコミュニケーション / PRTR / 市民参加 / 合意形成 |
Research Abstract |
本年度は、以下の2点から研究を進めた。 第一に、これまで進めてきた実際の工場施設を対象としたリスクコミュニケーションの実験的な取り組みをさらに充実させるため、埼玉県において過去に実験的な取り組みを行った企業が2回目の取り組みを行うのに伴い、情報提供や議論の進め方を改善することにより、その効果を検討した。また、他の工場を対象にした取り組みでは、比較的多くの地域住民の参加を得ることによって、地域における対話の課題を検討した。 一方、岐阜県においては、西濃地域や岐阜・中濃地域において同様の対話集会に参加し、準備段階から議論に加わるとともに当日の進行についても関わった。なかでも、西濃地域では工業密集地帯が対象になったため、一度に3社ごとのコミュニケーションプロセスを進めることになった。なお、これら一連の取り組みでは、研究代表者である村山が当日の進行役を務めた。また、いずれの会場においても地域住民を中心とした参加者に対する質問紙調査を実施し、集会の成果と課題について検討するように努めた。 第二に、昨年度に実施した質問紙調査の結果を詳細に検討した。特に、主成分分析をはじめとする多変量解析の手法を用いて、回答間の関係を統計的に分析した。その結果、自治体では、取り組みに比較的積極的でないがデータ公表を主とするグループとコミュニケーションを主とするグループがあり、さらに、他のグループでは取り組みが積極的になるに従って、データ公表からコミュニケーションに移行する傾向が見られた。また、事業所の回答パターンから、社内での認識はある程度あるものの取り組みにはあまり積極的でない群、市民の関心を意識しつつ中程度の取り組みを行っている群、社内における比較的高い認識のもとで積極的な取り組みを行っている群が特徴として挙げられた。
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Research Products
(5 results)