2003 Fiscal Year Annual Research Report
海産ポリエーテルマクロライド天然物の全合成と立体構造決定法の開発
Project/Area Number |
14580606
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤原 憲秀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20222268)
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Keywords | 海産天然物 / ポリエーテルマクロライド / 全合成研究 / 立体構造決定 / ペクテノトキシン類 / 貝毒 / 殺癌細胞活性 / ポリエーテル骨格 |
Research Abstract |
新規構造と顕著な生物活性を有する海産ポリエーテルマクロライド天然物の全合成と絶対配置決定を目的として研究を展開した。平成15年度は、渦鞭毛藻由来の貝毒で殺癌細胞活性を有するペクテノトキシン2を合成標的として、全合成研究を行った。また、別種の渦鞭毛藻から単離されたアクトミオシンATPase活性制御物質であるゴニオドミンAの合成研究を行った。 ペクテノトキシン2の合成においては、スピロアセタール部の組み替わりを防ぐ目的で、隣接する水酸基上を保護する必要があった。この保護基の選択が実際の合成では非常に重要であった。当初、ベンジル基を保護基として用いたところ、スピロアセタール形成から全体のマクロラクトン構造構築に至る過程を実現できたが、保護基の除去に難点があった。そこで、この保護基をパラブロモベンジル基およびパラメトキシベンジル基に変えて合成を検討したところ、いずれも最終的な除去が可能であった。以上、ペクテノトキシン2の全合成の達成に不可欠の知見を得ることができた。 ゴニオドミンAは相対および絶対配置が未決定なので、その立体化学を究明を目的として合成経路設計と部分構造の合成法の開拓を行った。ゴニオドミンAの全体構造をA環部、BC環部、DE環部、F環部、C26-C30部の5つのセグメントに分割し、それぞれを合成した後に、天然物のスペクトルデータと比較検討する方法を採ることにした。実際に、これらセグメントのうち、環状エーテル構造を含む4つの部分の合成法を確立することができた。これにより、立体化学決定と全合成の両方に有益な知見を得ることができた。
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