2004 Fiscal Year Annual Research Report
アスパラギン結合型糖鎖の形質膜上における異化経路の発現とアポトーシス
Project/Area Number |
14580628
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊藤 和央 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20183171)
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Keywords | エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼHS / エンドHS / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
糖タンパク質に作用しアスパラギン結合複合型糖鎖を特異的に遊離させる形質膜結合型エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(エンド)HSの標的糖タンパク質として、ヒト口腔内の組織結合上皮細胞から分子量55K、剥離上皮細胞から分子量20K、50Kおよび102〜116Kのタンパク質を標的糖タンパク質として特定してきた。また、組織結合上皮細胞に見出された分子量55Kのタンパク質(TGP55)の精製を行い、これに対するモノクローナル抗体を調製した。そこで、得られた抗体を用いてTGP55の細胞局在性を、共焦点顕微鏡を用いた蛍光抗体法によって調べた。その結果、抗TGP55モノクローナル抗体によって上皮細胞の周辺部が主に染色され、TGP55は上皮細胞の周辺部に局在していることが示唆された。一方、剥離上皮細胞から見出された分子量50Kのタンパク質(TGP50)の部分アミノ酸配列を決定し、その配列からTGP50の同定を行った。すなわち、SDS-PAGEで分離したTGP50をゲル中でリジルエンドペプチダーゼを用いて消化し、生成したペプチドをHPLCで分離した。得られた数種のペプチドについてペプチドシークエンサーによってそれぞれアミノ酸配列を決定した。そして、得られた配列をもとにホモロジー検索を行った。その結果、TGP50のアミノ酸配列はヒトサイトケラチン13と極めて相同性が高いことが明らかとなった。従って、TGP50はサイトケラチン13あるいはこれと類似したタンパク質であると考えられた。また、ヒトサイトケラチン13にはアスパラギン結合型糖鎖結合部位が1ケ所存在した。エンドHSはこの部分に結合するアスパラギン結合複合型糖鎖を加水分解していることが示唆された。
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