2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経系および免疫系における2-アラキドノイルグリセロールの生理的役割に関する研究
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14580653
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 助教授 (80230415)
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)
須原 義智 帝京大学, 薬学部, 助手 (30297171)
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Keywords | 2-アラキドノイルグリセロール / カンナビノイド / ケモカイン / 遊走 / グルタミン酸放出 / アラキドン酸 / リゾホスファチジルイノシトール / リゾホスファチジン酸 |
Research Abstract |
1.HL-60細胞に2-アラキドノイルグリセロールを加えて培養すると、IL-8やMCP-1などのケモカインの産生が増大することを見い出した。2-アラキドノイルグリセロールによるケモカイン産生の増大は、細胞をカンナビノイドCB2受容体のアンタゴニストであるSR144528で処理することにより完全に抑制された。LPSを加えたときに観察されるケモカインの産生増大は、2-アラキドノイルグリセロールを共存させることによって大幅に促進された。次に、マクロファージ様の細胞に分化させたHL-60細胞に2-アラキドノイルグリセロールを加えて遊走を引き起こすかどうかを調べた。その結果、2-アラキドノイルグリセロールはマクロファージ様に分化させたHL-60細胞を遊走させることが分かった。同様の結果はヒトのmonocyteや、THP-1U937などのmonocyte系のcell lineについても観察された。2-アラキドノイルグリセロールによる遊走は、細胞をSR144528や百日咳毒素で処理することによって完全に阻害されることが分かった。また、2-アラキドノイルグリセロールによる遊走促進はRhoキナーゼ阻害剤やERKの阻害剤によっても部分的に阻害を受けることも明らかとなった。 2.カンナビノイドCB1受容体のアンタゴニストであるSR141716Aをシナプトソームに加えて脱分極させると、脱分極の際にグルタミン酸放出が有意に高まることが明らかとなった。このことは内在性リガンドである2-アラキドノイルグリセロールが、シナプトソームからのグルタミンの放出を抑制的に制御していることを強く示唆するものである。 3.脳における2-アラキドノイルグリセロールの生合成機構を詳しく調べた。その結果、アラキドン酸含有リゾホスファチジルイノシトールやアラキドン酸含有リゾホスファチジン酸が脳に相当量存在していることが明らかとなった。2-アラキドノイルグリセロールの生成に際しては、これまで、アラキドン酸含有ジアシルグリセロールが直接の前駆体となっていると考えられてきたが、ジアシルグリセロールだけでなく、アラキドン酸含有リゾホスファチジルイノシトールやアラキドン酸含有リゾホスファチジン酸からも2-アラキドノイルグリセロールが生成している可能性は充分にあると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shinji Nakane et al.: "2-Arachidonoyl-sn-glycero-3-phosphate, an arachidonic acid-containing lysophosphatidic acid : occurrence and rapid enzymatic conversion to 2-arachidonoyl-sn-glycerol, a cannabinoid receptor ligand, in rat brain"Arch. Biochem. Biophys.. 402. 51-58 (2002)
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[Publications] Takayuki Sugiura et al.: "Biosynthesis and degradation of anandamide and 2-arachidonoylglycerol and their possible physiological significance"Prostaglandins, Leukotriene and Essential Fatty Acids. 66(2&3). 173-192 (2002)
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[Publications] Takayuki Sugiura et al.: "Cannabinoid receptors and their endogenous ligands"J. Biochem.. 132. 7-12 (2002)
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[Publications] Takayuki Sugiura et al.: "Lysophosphatidic acid, a growth factor-like lipid, in the sativa"J. Lipid Res.. 43. 2049-2055 (2002)