2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580657
|
Research Institution | Faculty of Medical Sciences, University of Fukui |
Principal Investigator |
古川 高子 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教授 (00221557)
|
Keywords | クロマチンリモデリング / SWI / SNF / Osa |
Research Abstract |
本年度は、ヒトSWI/SNF複合体におけるOsa-2の機能を明らかとするため、野生型とAT-Rich Domain(ARID)を欠失した変異型のOsa-2のほぼ全長を、Flag-tagをつけた形で、tetracyclineの濃度によるコントロールのもとに発現するHeLa cell line、TetOff16eとTetOffD6を作成し、これらのcell lineを用いて、Osa-2を構成成分にもつヒトSWI/SNF複合体の精製を試み、あわせてARIDの存在・不在による複合体形成能への影響や、複合体のクロマチンリモデリング活性に与える影響などを検討した。TetOff16eとTetOffD6ではOsa-2の誘導発現レベルにかなりの差が見られたが、doxicyclineの投与条件を調節することにより、ほぼ同程度の発現レベルを実現することができた。この条件化で調整した両者のnuclear extractを試料とし、glycerol gradient sedimentationをおこなったところ、Osa-2、BRG、BAF155、などのヒトSWI/SNFのコンポーネントとされるタンパク質は類似の挙動を示し、ARIDの有無にかかわらず、ともに高分子量の複合体を形成していると考えられた。BAF170についてはTetOff16eとTetOffD6で差が見られ、ARIDとBAF170の間に何らかの相互作用が存在している可能性が示唆された。また、抗T7抗体を用いて、glycerol gradient sedimentationの高分子量fractionから野生型、ARID欠失型のOsa-2を含むタンパク質複合体を精製することができた。今回精製した複合体の構成はこれまでに報告されているヒトSWI/SNF複合体と若干の差が見られたが、野生型、ARID欠失型の間で差は見られず、複合体形成においてはARID欠失の影響は認められなかった。
|