2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンの運動メカニズムにおけるアクチンの重要な役割
Project/Area Number |
14580673
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩根 敦子 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (30252638)
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Keywords | ミオシン / アクチン / 共同性 / ブラウン運動 / 電顕 / 1分子イメージング |
Research Abstract |
ミオシンスーパーファミリーの中でミオシンVは1分子レベルでアクチンフィラメント上をB端方向に連続的に運動する。この運動メカニズムは長いネックドメインを有する二つの頭を利用し、大きなステップ(〜36nm)で連続的に動くことが出来ると信じられてきた(首振り説)。しかし、今回、短いネックドメインしか持たないミオシンVIもアクチンフィラメント上を逆向き(P端方向)に1分子で連続的に大きなステップ(〜36nm)で運動することをミオシンVIを蛍光蛋白質タグである緑色蛍光蛋白質(GFP)との融合組換え蛋白質として作製し、全反射蛍光顕微鏡を用いた1分子イメージングと光ピンセットを用いた1分子ナノ計測の技術を利用して示した(Nishikawa S. et al. BBRC 2002)。また、ネックの短いミオシンV変異体も長い物と同様に大きなステップ(〜36nm)で連続的に動くこと(Tanaka H. et al. Nature 2002)から考えてみても単なる首振り説ではミオシンの運動メカニズムの説明がつかない。一方、ATP存在下、ミオシンVIがアクチンフィラメント上を36nm間隔で協同的に結合する様子が電子顕微鏡像から観察され(Nishikawa S. et al. BBRC 2002)。これはミオシンがアクチンフィラメントに結合するとミオシンの結合しやすい部位(ホットスポット)がアクチン上に形成されることが考えられ、ミオシンの連続的な運動にはアクチン側の重要な役割が示唆された。 現在、バキュロウイルスの発現系を用いてアクチンの組換え体作製に成功し、アクチンの表面電荷を変えたりしてアクチン側の役割を1分子レベルで検討するところに至った。また、電顕像で得られたこの静的な協同的な結合の存在は、運動方向性の異なるミオシンV, VI共にそれぞれ運動方向に高い親和性の部分が伝搬していることを1分子イメージング法で得られ、動的な共同性を示唆する結果としても確認された。ATP存在下、ミオシン結合時のアクチン側の活性化の詳細はアクチン表面の電荷の関与に着目し、慎重に計測、解析することでアクチン側の重要な役割を解明する。
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[Publications] T.M.Watanabe, H.Tanaka et al.: "Studying Molecular Motors on the Single Molecule Level."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (in press). (2004)
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[Publications] M.Y.Ali, K.Homma et al.: "Unconstrained steps of myosin VI appear longest among known molecular motors."Biophys.J. (in press). (2004)
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[Publications] K.Hibino, T.M.Watanabe et al.: "Single- and Multiple-molecule dynamics of the signaling from H-ras to cRaf 1 visualized on the plasma membrane of living cells."CHEMPHYSCHEM. 4. 748-753 (2003)
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[Publications] Y.Ishii, A.H.Iwane et al.: "Studying Molecular Motors on the Single Molecule Level."Single-Molecule Detection in Solution. Chapter 9. 273-292 (2002)
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[Publications] S.Nishikawa, K.Homma et al.: "Class VI myosin moves processively along actin filament backwards with large steps."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 290. 311-317 (2002)
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[Publications] H.Tanaka, K.Homma et al.: "The motor domain determines the large step of myosin-V."Nature. 415. 192-195 (2002)