2002 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン酸化の細胞生物学における機能-5位のリン酸化
Project/Area Number |
14580690
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 芳一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (80196419)
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Keywords | 小胞輸送 / イノシトール / キナーゼ / アクチン / PHドメイン / 低分子量G蛋白 / GFP / PIP2 |
Research Abstract |
研究代表者の移籍に伴う研究設備などの変更のため、研究計画実施にある程度の変更がある。 (1)各PIP5Kの細胞内局在解析及び(2)PIP5Kと細胞膜小領域との関係 PIP5Kα、β、γの生理的状態での細胞内局在を解析するため、それぞれとgreen fluorescent protein(GFP)およびその誘導体(CFP, YFP)との融合蛋白を発現させ、生細胞のまま倒立顕微鏡で観察ビデオ撮影を行っている。またPIP5Kが細胞膜小領域に局在する可能性を調べる目的で細胞分画など行っている。 (3)PIP5K相互作用蛋白の解析 PIP5Kα、β、γそれぞれのC末端をLexA蛋白に結合し、酵母細胞にトランスフォームし、さらにGa14ベクターで作成したラット脳cDNAライブラリーを感染させた。レポターとしてのベータガラクトシダーゼ発現を増加させるクローンをスクリーンしている。 (4)PIP5Kの細胞内小胞輸送への作用 我々はこれまでにPIP5K発現で細胞膜近傍のアクチン重合の増加を報告しているが、PIP5Kを発現させた細胞では小胞周囲のアクチン重合も増加していた。さらに小胞を基点としてアクチンの「尾」が観察された。アクチンにCFPを、PIP5KにYFPをそれぞれ結合させ、細胞に導入して、生細胞をビデオで観察すると、アクチンと反対方向に小胞が運動することを発見した。細胞内小胞運動は微小管に添った分子モーターの作用がよく知られているが、我々の見出した運動は微小管とは関連なくアクチン彗星と呼ばれる構造と非常に似ていた。この機構を解明するため種々の実験を継続中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamamoto M. et al.: "Phosphatidylinositol 4, 5-bisphosphate induces actin stress-fiber formation and inhibits membrane ruffling in CV1 cells."J. Cell Biol.. 152. 867-876 (2001)
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[Publications] Tolias K.F.et al.: "Type I phosphatidylinositol-4-phosphate 5-kinase mediates Rac-dependent actin assembly."Current Biology. 10. 153-156 (2000)
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[Publications] Ishihara H.et al.: "Type I phosphatidylinositol-4-phosphate 5-kinases."J. Biol. Chem.. 273. 8741-8748 (1998)
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[Publications] Shibasaki Y.et al.: "Massive actin polymerization induced by phosphatidylinositol-4-phosphate 5-kinase in vivo."J. Biol. Chem.. 272. 7578-7581 (1997)