2002 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル幼生尾部をモデルとした再生制御機構の解明
Project/Area Number |
14580716
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
餅井 真 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90202358)
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Keywords | アフリカツメガエル / 幼生 / 尾部 / 再生 / cDNA / 再生芽 / アレイ / トランスジェニック |
Research Abstract |
アフリカツメガエル幼生の尾部をモデルとして、再生現象を制御するしくみを明らかにすることを目的としている。平成14年度は、細胞生物学的、分子生物学的な方法を試み、以下の成果を得た。 1)尾部切断後どのような細胞が増殖し、再生体を形成するか、BrdUを用いた増殖細胞の標識をおこなったところ、表皮、筋肉、脊索、脊髄、間充織すべての細胞種での増殖が観察された。特に、筋肉細胞の増殖が頻繁に観察され、再生芽形成の主要な細胞供給源になっている可能性が示唆された。今後細胞標識等により、詳細に解析する予定である。 2)トランスジェニック法を用いて、尾部の筋肉や、脊索の細胞で外来遺伝子を安定して発現させることに成功した。これら遺伝子は再生過程でも発現し、再生過程における遺伝子操作実験が可能になった。また、テトラサイクリンによる発現誘導システムとトランスジェニックとを組み合わせ、再生時特異的な発現誘導を試み、期待できる結果を得ている。 3)胚由来cDNAアレイを用いて単離された遺伝子4種について、切片in situハイブリダイゼーション法により、発現を詳細に解析したところ、これらのうち3種の遺伝子が再生芽間充織で発現することを確認した。また、それぞれの発現が時間的、領域的に少しずつ異なることから、一見均一な再生芽間充織細胞を分類する糸口がつかめたと考えられる。 4)胚由来のcDNAに加え、再生尾部由来のcDNAライブラリーの作製をおこない、クローンの単離をおこなった。各クローンのインサートを増幅、cDNAアレイを作製する予定である。
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