2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経発生および神経変性疾患における神経細胞死の分子機構に関する研究
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14580730
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植月 太一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20260309)
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Keywords | 神経細胞 / 神経発生 / 神経変性 / アポトーシス / E2F1 / アデノウイルスベクター / カスパーゼ / アミロイド前駆体蛋白質 |
Research Abstract |
E2F1は、細胞周期のG1/S期移行に重要な役割を果たしている転写因子である。分裂停止ニューロンにおいてもE2F1遺伝子は発現しているがその生理的な意義は不明セある。我如ま胚性ガン細胞(P19)由来の分化ニューロンにE2F1を強制発現するとアポトーシスを誘導することを既に報告している。また、E2F1は、ニューロンがアポトーシス刺激を受けた場合に発現が上昇するとの報告がある。我々は細胞周期の調節以外に、特に分裂終了細胞においてはアポトーシスの制御に関与しているものと考え、その分子的な機構を明らかにすることを研究の目的とした。 E2F1遺伝子のニューロンで果たす機能を解析するためにニューロンへのE2F1遺伝子導入実験を行った。分化したニューロンは分裂を終了しているため遺伝子導入効率が非常に悪く、ニューロンへの遺伝子導入は困難である。そのため分裂終了ニューロンへの遺伝子導入ベクターとしてアデノウイルスベクターを用いた。 E2F1をCMVプロモーターにより発現するアデノウイルスベクターは、Nevins博士より供与されたものを用いた。また、DNA結合活性を欠失したE2F1cDNA(E132)(Lu博士より供与)を発現するアデノウイルスベクターを作製した。ウイルスベクターの作製方法は東京大学医科学研究所の斎藤泉博士らが開発したCOS-TPC法によった。現在作製されたベクターを用いて神経培養細胞に導入を試みている。導入されたベクターはいずれも高発現することが示された。現在この実験系によりE2F1の作用を検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishimura, I.: "Cell death induced by a caspase-cleaved transmembrane fragment of the Alzheimer Amyloid precursor protein"Cell Death and Differentiation. 9. 199-208 (2002)
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[Publications] Kuwako, K.: "Activation of calpain in cultured neurons overexpressing Alzheimer amyloid precursor protein"Molecular Brain Research. 107. 166-175 (2002)