2003 Fiscal Year Annual Research Report
発生早期に起こる鳥類胚頚髄の運動神経細胞死の決定機序の解析
Project/Area Number |
14580731
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
八木沼 洋行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90230193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
佐藤 昇 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00254756)
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Keywords | プログラム細胞死 / LIM転写因子 / レトロウイルスベクタ / 運動神経 / 頚髄 / ニワトリ胚 / エレクトロポレーション / Bcl-2 |
Research Abstract |
発生の早期の鳥類胚の頚髄において、分化直後の多数の運動神経細胞が同期して細胞死を起こすことが知られており、本研究ではこの運動神経細胞死の決定機序の解明を目指している。14年度において、Bcl-2をレトロウイルスベクターで導入してこの細胞死を抑制した場合、本来は細胞死の時期に一致して消滅するはずの、Isl-1,Isl-2陽性でLim3陰性のグループが細胞死の時期の後まで残っていることが判明し、この細胞死が運動神経細胞の特定のサブグループに起こることを示唆するものと考えられた。15年度には、このLim3が陰性であることと細胞死を起こすこととの因果関係を明らかにするために、Lim3を強制発現させた場合の神経細胞死への影響について解析を定量的に行った。 まず、鳥に特異的な増殖可能型のレトロウイルス(RCASB)タイプのプラスミド中にニワトリのLim3のcDNAを組み込んだものを作製した。コントロールとしてはGFPを発現するRCASBを作製した。Lim3を強制発現するウイルスベクタプラスミドを電気穿孔法で神経管の一側に導入し、細胞死の前、途中、後の時期において細胞死の量を定量的に解析した。Isl1に対する免疫組織化学法で運動神経細胞の数を計数したところ、細胞死の起こる直前の時期では、コントロールとの間に差がないのに対して、細胞死の終わる時期では、Lim3を強制発現を行った場合、有意差を持って20%程度の運動神経細胞数の増加が認められた。また、細胞死の起こっている途中の時期で細胞死を起こしている細胞数をTUNEL法で計数したところ、細胞死数の有意な減少が認められた。 これらの結果は、Lim3の強制発現は分化する運動神経の数には影響しないものの、細胞死の決定に関与する可能性を示唆するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Homma S, Yaginuma H, Vinsant S, Seino M, Kawata M, Gould T, Shimada T, Kobayashi N, Oppenheim RW.: "Differential expression of the GDNF family receptors RET and GFRalpha1, 2, and 4 in subsets of motoneurons : a relationship between motoneuron birthdate and receptor expression"J Comp Neurol.. 456・3. 245-259 (2003)
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[Publications] Moro T, Kikuchi S, Konno S, Yaginuma H.: "An anatomic study of the lumbar plexus with respect to retroperitoneal endoscopic surgery"Spine. 28・5. 423-427 (2003)
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[Publications] Fujino M, Kawasaki M, Funeshima N, Kitazawa Y, Kosuga M, Okabe K, Hashimoto M, Yaginuma H, Mikoshiba K, Okuyama T, Suzuki S, Li XK: "CrmA gene expression protects mice against concanavalin-A-induced hepatitis by inhibiting IL-18 secretion and hepatocyte apoptosis"Gene Ther.. 10・20. 1781-1790 (2003)
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[Publications] K.Kobayashi, M.Takahashi, N.Matsushita, J.Miyazaki, M.Koike, H.Yaginuma, N.Osumi, K.Kaibuchi, K.Kobayashi: "Survival of developing motor neurons mediated by Rho GTPase signaling pathway through Rho-kinase"J.Neurosci.. 印刷中.