2002 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物Class C VPS分子による神経伝達の制御機構
Project/Area Number |
14580759
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
赤澤 智宏 国立精神・神経センター, 代謝研究部, 室長 (80291160)
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Keywords | 神経細胞 / 小胞輸送 / エンドソーム / リソソーム / 細胞内局在 / シナプス / 伝達物質放出 / 酵母 |
Research Abstract |
本年度は哺乳動物Class C Vpsの神経系における役割を解析する目的で、マウスVps16(mVps16)をクローニングを行い解析した。mVps16はアミノ酸配列上、C.elegans、ショウジョウバエ、ヒトと、それぞれ25%、35%、96%の相同性を持っていた。蛋白間相互作用に重要と考えられているcoiled-coilドメインを持っている。我々はmVps16を特異的に認識する抗体を用いて培養細胞(株化PC12細胞、マウス初代神経細胞)の細胞内局在を解析した。その結果、mVps16は細胞体の小胞様構造に加えて、神経細胞の突起に高い発現を認めた。これらはmVps16が神経細胞において軸策・樹状突起を輸送されていることを示している。生化学的解析を行うために、mVps16の発現ベクターとsintaxin1、sintaxin5、syntaxin6、syntaxin7、syntaxin8、syntaxin13の発現ベクターをヒトHEK293細胞に強制発現させ、免疫沈降実験を行った。その結果、mVps16はsyntaxin5以外と強く結合することが明らかになった。これらの結果はmVps16が細胞内で様々なオルガネラに局在し、様々なsintaxinとの結合をかいして小胞輸送にかかわっている可能性を示唆する。さらに細胞内の機能を明らかにするために、培養細胞に強制発現させ、トランスフェリンの細胞内取り込み(エンドサイトーシス)を調べた。その結果、mVps16発現細胞ではトランスフェリンの取り込みは正常に行われるものの、トランスフェリン受容体のリサイクリングに障害が認められた。このことはmVps16の機能がリサイクリング・エンドソームの形成にかかわることを示唆している。今後、神経細胞に的を絞ってシナプス小胞の放出機構とのかかわりを明らかにする。
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Research Products
(1 results)