2003 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモンとその受容体による摂食制御神経ネットワークの三次元構築の解明
Project/Area Number |
14580772
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (60169290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40315932)
西 真弓 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40295639)
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Keywords | orexin / orexin receptor / 性差 / estrogen / estrogen receptor / NPY / 視床下部 / leptin receptor |
Research Abstract |
摂食制御に深く関連する視床下部外側野領域を中心に存在するorexinニューロンの性差と性ホルモンの影響について研究を展開している。Orexinニューロンそのものには少なくともエストロゲン受容体は発現しないことを確認しているが、実際にorexinニューロンの発現、分布について蛍光免疫組織化学法を用いて、共焦点レーザ走査顕微鏡で観察すると、明らかに雄において雌よりも有意に発現し、神経線維を広く投射展開している様子が明らかとなってきた。一方、雌ラットにおいて卵巣を摘出し、エストロゲンの分泌を遮断すると、orexinニューロンの分布、発現は雄型の方向へシフトする様子が観察され、orexinニューロンにおけるorexinの発現には性ホルモン、特にエストロゲンが強く影響している可能性が示唆されつつある。このことは何らかの他のニューロンを介して間接的にorexinニューロンにエストロゲンが関与する可能性を意味するが、その一つの候補としてorexinニューロンに投射するNPYニューロンが考えられる。NPYニューロンにはエストロゲン受容体が発現しており、またNPY発現の明らかな性差が示唆されている。現在、この両者のニューロンの相互作用を組織化学的、三次元組織構築学的に解析する一方、orexin受容体の分布と性差についても検索を開始し、受容体レベルでの反応性を検索している。 一方、摂食制御に関与する神経細胞には末梢の脂肪細胞からのleptinの制御が深く関与する。このleptinの神経細胞への影響を調べる目的で、leptin受容体の視床下部領域における発現について免疫組織化学的に、また蛍光免疫染色法を用い、共焦点レーザ走査顕微鏡を用いて観察することにより、leptin受容体の分布の三次元的構築の試みを行っている。
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[Publications] Ochiai I, Matsuda K, Nishi M, Ozawa H, Kawata M: "Imaging analysis of subcellular correlation of androgen receptor and estrogen receptor α in single living cells using green fluorescent protein color variants"Molecullar Endocrinology. 18. 26-42 (2004)
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[Publications] 小澤一史 他: "トートラ 人体の構造と機能"丸善出版株式会社. 1158 (2004)