2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞のin vitroでの細胞系譜に関する研究
Project/Area Number |
14580778
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山之端 万里 創価大学, 生命科学研究所, 講師 (60247286)
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経前駆細胞 / フローサイトメトリー / 初代培養 / bFGF / Neurospheres / EGF |
Research Abstract |
胎生期および成体の大脳に局在する神経幹細胞の応用は年々具体化されており、臨床応用での期待感はますます強くなっている。基礎研究においては、神経幹細胞の自己増殖と多分化能の性質についての細胞学的な研究を中心に活発に行なわれている。1.神経幹細胞の増殖維持と分化阻止の条件が確立でき、その機構が明かされる。2.必要なニューロンのみを再生するための条件とその機構が解明される。3.胎生期および成体の神経幹細胞の差異の解明などが焦点となっている。本研究ではいままで確認された自己増殖、多分化能に加えてアポトーシス、生存維持を加えた、神経幹細胞のもつ多面性について、応用性を考慮して基礎研究を行なった。神経管に認められる神経幹細胞は発生初期に種々の外来性因子により後期の発生に影響を及ぼす結果を示唆しており、それ故、組織からの分離技術がin vitroでの神経幹細胞の分化にも影響していることが考えられた。そこで、発生初期の外来性因子の影響を阻止するために迅速な神経幹細胞の分取法を確立して、初代培養系での検討をした。その結果、培養早期(1-2日)に他種細胞による接触性と非接触性の因子がアポトーシスと生存維持に関与していることを示唆する結果を得た。また、発生初期の外来性因子の影響は、神経幹細胞の対称性の分裂から非対称性の分裂への影響を示唆した。これは最終分化の影響までを支配することも考えられる。今後、これらの因子の同定を試みると共に特定のニューロンへの分化誘導の応用について検討する。
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Research Products
(1 results)