2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞のin vitroでの細胞系譜に関する研究
Project/Area Number |
14580778
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山之端 万里 創価大学, 工学部環境共生工学科, 講師 (60247286)
|
Keywords | 神経幹細胞 / 前駆細胞 / フローサイトメトリー / 初代培養 / basic FGF / Neurospheres / EGF |
Research Abstract |
初代培養系では培養条件を設定することで、特定の細胞の種々の機能を顕現させることが可能であり、脳内の複雑な環境下での動態を、単純な系として置き換えることでその細胞のもつ機能を予測できると考えられる。しかし、この目的のためには異種の細胞を簡便に差別化して、かつ迅速に分離することが必要である。この条件を満たすために、散乱光によるフローサイトメトリー法(Light Scattering Flow Cytometory : LS-FCM)を用いた。 発生初期(胎生12日目)の前脳より単一細胞懸濁液を調整してLS-FCMで解析したところ神経幹細胞の領域とは異なる細胞群が認められた。この両者を生細胞のまま分取して初代培養に供したところbasicFGFでの増殖は良好でありこれらの細胞について解析した。一方、幹細胞および前駆細胞の細胞膜表層抗原に対する抗体による解析から、A2B5抗原が発生の早い時期に発現していた。Glia細胞系の前駆細胞はA2B5とnestinと二重染色される陽性細胞であるが、今回認められたのは、A2B5のみに染色の陽性細胞であり、強陽性と弱陽性に区別された。この発生初期の時期はニューロン前駆細胞の陽性率は低いにも関わらずA2B5陽性細胞の出現の意味を検討している。 また、LS-FCMで分取した神経幹細胞のアポトーシスについては、蛋白性因子および低分子の両者が関与していることが今回、示唆された。この現象はLS-FCMにより純度の高い細胞を分取したときに惹起されることから、脳由来の共存の細胞が通常はアポトーシスを阻害していることが考えられた。
|
Research Products
(1 results)