2002 Fiscal Year Annual Research Report
GABAによる分泌促進及び活動電位発生のシミュレーションによる解析
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14580794
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藤城 直二 福岡大学, 医学部, 助手 (30173420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)
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Keywords | 副腎髄質細胞 / GABA / GABA_A受容体 / GABA_B受容体 / 分泌 / カテコールアミン / 電位依存性Caチャネル / 脱分極 |
Research Abstract |
単離モルモット副腎髄質細胞に先端5μmの炭素電極を接触させて、アンペロメトリー法によりカテコールアミン分泌を電流として測定した。ニコチン受容体アゴニストのニコチンを投与すると用量依存的に分泌が促進された。10μMニコチンにより誘発される分泌量を1とすると、60μMと100μMニコチン刺激による分泌量は、3.2±0.4と4.4±1.4(mean±S.E.)であった。GABA_B受容体アゴニストのバクロフェンを投与しても分泌は誘発されず、またバクロフェンとニコチンを同時に投与してもニコチン受容体刺激により誘発される分泌は変化しなかった。これらの結果からモルモット副腎髄質細胞にはGABA_B受容体は存在しないか、存在してもわずかであることが考えられる。一方、10μM GABAを投与すると、約半分の細胞において持続性の分泌が誘発された。10μM GABAにより誘発される分泌量は、10μMニコチン誘発性分泌量の11.0±0.6%であり、GABA濃度を60と100μMに上昇させても分泌量は増加せずに10μMニコチン誘発性分泌の11.7±1.7%と5.7±1.5%であった。このGABA誘発性分泌は外液からCaイオンを取り除くと完全に消失することより、GABA受容体Clチャネルが活性化すると膜電位が脱分極し、電位依存性Caチャネルが活性化すると考えられる。分泌におけるニコチン受容体とGABA_A受容体刺激の濃度依存性の違いは、ニコチン受容体刺激の場合刺激の強さが強くなるに従い、膜電位はニコチン受容体チャネルの逆転電位に近づくのに対して、GABA_A受容体刺激の場合低刺激でも膜電位はGABA受容体Clチャネルの逆転電位近傍まで十分脱分極していると考えると説明できる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Inoue, Y.Sakamoto, M.Fujishiro, et al.: "Homogeneous Ca^<2+> stores in rat adrenal chromaffin cells"Cell Calcium. 33. 19-26 (2003)