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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ユニークな実験動物スンクスの甲状腺ホルモン機能解析モデルとしての評価

Research Project

Project/Area Number 14580797
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

織田 銑一  名古屋大学, 生命農学研究科, 助教授 (60023660)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村田 善晴  名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
Keywordsスンクス / ジャコウネズミ / トガリネズミ / 甲状腺ホルモン / 脱ヨード酵素 / 脱ヨード酵素遺伝子(D1) / 脱ヨード酵素遺伝子(D2)
Research Abstract

スンクスは,食虫目トガリネズミ科ジネズミ亜科ジャコウネズミ属に分類される動物で,基礎代謝率が高く,飢餓に弱いといわれている.血中の甲状腺ホルモンは,動物の基礎代謝率を促進させることが知られている.活性型の甲状腺ホルモン(T3)のほとんどは,2種類の脱ヨード酵素(D1,D2)によって,プロホルモンであるチロキシン(T4)から産生される.
1.マウス・ラットにおいては,血中T3のほとんどがD1の働きによって産生されており,絶食状態に陥ると,D1の活性が抑制され,血中T3濃度が低下し,基礎代謝率も低下する.しかし,平常時のスンクスのD1活性はラットに比べて低いのに対し,著しく高いD2活性をもつことから,血中のT3濃度がD2によって維持されており,絶食時においても血中T3濃度が低下しないことが考えられた.
2.その原因を探るため,スンクスのD1,D2cDNAのクローニングを行い,その構造を調べ,他動物種のD1,D2と比較・検討を行ったが,D1,D2は他動物種のものと似た構造をもっており,分子レベルでの異常は観察されず,スンクスのD2の高活性の原因が,その発現レベルにあると考えられた.
3.絶食試験では,コントロール群,2日絶食群,4日絶食群の3群を作成し,その際の肝臓のD1mRNA発現量,褐色脂肪組織・大脳皮質のD2mRNA発現量,ならびに褐色脂肪組織・大脳皮質のD2活性の変動を測定し,また血中の甲状腺ホルモンの変動を観察した.その結果,スンクスの血中T3濃度は,マウス・ラットの報告とは異なり,絶食試験において低下する傾向がみられなかった.肝臓のD1mRNA発現量および褐色脂肪組織のD2のmRNA発現量ならびに活性は低下する傾向がみられたのに対し,大脳皮質のD2mRNA発現量ならびに活性は,増加する傾向がみられた.スンクスの血中T3濃度が絶食によって減少しない要因の一つとして,大脳皮質のD2活性が増加していることが考えられた.
以上のように,スンクスは甲状腺ホルモンの代謝において,マウス・ラットで報告されていないような特殊な機能を発達(あるいは低下)させており,ユニークな実験動物となりうることが明かとなった.

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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