2002 Fiscal Year Annual Research Report
実験用ラットに於けるパラインフルエンザウイルス3型自然感染に関する研究
Project/Area Number |
14580803
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宮田 博規 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70174191)
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Keywords | PIV3 / ウイルス分離 / ラット繁殖コロニー / RT-PCR |
Research Abstract |
平成14年度の計画に従い以下のように行った。【研究目的】血清学的にパラインフルエンザウイルス3型(PIV3)が感染しているSPFラット繁殖コロニーからのPIV3の分離。【材料及び方法】RT-nested PCR法の確立:PIV3自然感染ラットの肺内ウイルスを証明する目的でPIV 3 Protein, NP regionをターゲットしたRT nested PCR法を設定した。両領域を遺伝子クローニングした後、in vitro transcription法により人工的にRNAを作製し、両領域での検出感度を検討した。その結果、両領域とも2.5copies/tubeの十分な感度をもつRT-nested PCR法を確立することができた。この系を使用し、PIV3陽性繁殖コロニー内の7週令SDラット60匹の10%肺乳剤を使用し、L, NPのRT-nested PCRで何れか一方もしくは両方で陽性となった検体5検体をvero細胞に接種した。34℃、20U/mlトリプシン下で培養しRT-nested PCRでウイルスゲノムの複製をモニターした。【結果】1検体(L+,NP+)の盲継代2代目(4dpi)のvero細胞培養上清RNAを鋳型した場合、1st PCRの段階で陽性となりPIVゲノムの複製が示唆された。さらに3代目(2dpi)より、巨細胞が観察された。抗ヒトPIV3抗体(デンカ生研)による蛍光抗体法で細胞質に特異蛍光を示し、HI(+)SDラット血清とも同様に強く反応した。モルモット血球に対してHA活性を有し、目的としたPIVであることを強く示唆した。更に確証を得るために、同様の方法により他のPIV3陽性ラットコロニーからの分離を試みている。これまでの成果を自己判断すると、ウイルス分離数が少なかったものの、今年度当初の計画調書通りの成果が得られたものと考える。
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