2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来間葉系幹細胞を用いた三次元軟骨組織誘導および軟骨再生に関する研究
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14580813
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
市野瀬 志津子 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助手 (60014156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 大 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50190864)
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Keywords | 骨髄由来間葉系幹細胞 / 軟骨組織誘導 / アルジネートビーズ培養 / ペレット培養 / 軟骨組織再生 |
Research Abstract |
本年度は、1)平成14年度に実験した三次元培養軟骨組織の評価および2)三次元培養して得られた軟骨組織塊を動物の関節軟骨欠損部に移植する実験を行った。 1)軟骨組織の評価:骨髄由来間葉系幹細胞の三次元培養結果をもとに、移植に適する培養軟骨組織の評価を行った。アルジネートビーズ培養では培養4日目で軟骨基質が形成されたが、培養9日目に細胞内外にハイドロキシアパタイトの針状結晶が形成されて、健全な軟骨組織の形成は培養初期の極めて短期間であることがわかった。一方、ペレット培養では培養7日目にcollagen type IIとproteoglycanから成る軟骨基質が形成され、培養14日目でペレットは木きさを増し、軟骨細胞と軟骨基質から成る軟骨組織塊となった(市野瀬、日本臨床電顕学会2003年)。培養時に細胞に応力を負荷する実験ではアルジネートビーズ培養では、アルジネートゲルの硬度が十分でないため、遠沈機を用いて行った。ペレット培養では細胞ペレットの自重による応力負荷が期待できるところから、ペレットを回転して培養した。 2)培養軟骨組織塊を動物の関節軟骨欠損部に移植する実験:培養14日目の軟骨ペレットを、動物の関節軟骨欠損部に移植するin vivoの実験を行った。ウサギおよびラットの関節軟骨に軟骨欠損部を形成し、培養14日目の軟骨ペレットをpress fitさせ充填した。移植8週間後に良好な軟骨組織の再生が認められた(Muneta, et al., International Cartilage Symposium Hiroshima, 2004)。
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[Publications] 市野瀬志津子, 宗田 大, 他2名: "ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を用いた軟骨組織の分化誘導"日本顕微鏡学会第59回学術講演会発表要旨集. Vol.38,Supplement 1. 197 (2003)
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[Publications] 市野瀬志津子, 他1名: "ヒト骨髄由来間葉系幹細胞の三次元培養による軟骨分化誘導過程の観察-アルジネートビーズ培養とペレット培養-"第35回日本臨床電子顕微鏡学会合同学術集会講演予講集. 109 (2003)
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[Publications] 市野瀬志津子, 宗田 大, 他3名: "ヒト骨髄由来間葉系幹細胞を用いた軟細織の分化誘導-ペレット培養-"第25回日本バイオマテリアル学会大会予講集. 243 (2003)
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[Publications] S.Ichinose, T.Muneta et al.: "The Study of Metal Ion Release and Cytotoxicity in Co-Cr-Mo and Ti-Al-V Alloy in Total Knee Prosthesis"JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE : MATERIALS IN MEDICINE. 14. 79-86 (2003)
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[Publications] S.Ichinose, T.Muneta et al.: "TEM observation of seven retrieved total knee joints made of Co-Cr-Mo and Ti-Ai-V alloys"Bio-Medical Materials and Engineering. 13. 125-134 (2003)
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[Publications] M.Tagami, S.Ichinose, et al.: "Genetic and ultrastructural demonstration of strong reversibility in human mesenchymal stem cell"Cell tissue Res 312,31-40(2003). 31. 31-40 (2003)